20日夕方の政策ウォッチ(マクロ経済・子ども手当の地方負担)(秘書ひしょ) | 中川秀直オフィシャルブログ「志士の目」by Ameba

20日夕方の政策ウォッチ(マクロ経済・子ども手当の地方負担)(秘書ひしょ)

■〔兜町ウォッチャー〕財政赤字拡大で円安なら日本株にプラスとも、中長期的には外国人離れ懸念
 (東京 20日 ロイター)
 財政規律目標として国債発行額「30兆円」を掲げた小泉内閣誕生から8年。16年ぶりの政権交代を果たした鳩山内閣のもと、2009年度の新規国債発行額は50兆円の大台に達するとの見通しが出ている。金利上昇や日本国債の格下げなどが懸念されるが株式市場の見方は意外と楽観的だ。
 ひとつには日本株が出遅れている最大の原因のひとつである円高トレンドが反転するのではないかとの期待があるためだ。「9月日銀短観で大企業・製造業の想定為替レートは94円50銭であり、1ドル91円付近の円高水準では輸出企業の業績がかなり圧迫される。国債需給の悪化で悪い金利上昇が発生しても、為替市場が日本の財政悪化の方を嫌気して円安になれば日本株にはプラスになる」(みずほインベスターズ証券エクイティ情報部長の稲泉雄朗氏)という。
 また金利上昇による景気圧迫懸念についても「企業の資金需要が強いわけではなくクラウディングアウトが心配されるような状況ではない」(大和証券SMBC金融証券研究所・投資戦略部部長の高橋和宏氏)との見方が聞かれる。そもそも金利上昇が起きるのかさえ疑問だとの指摘もある。「潤沢な流動性の下で吸収される国債バブルが世界的に生じている。現在の流れの中ではそれほど心配する必要はないのではないか」(立花証券・執行役員の平野憲一氏)という。
 みずほ証券チーフストラテジストの高田創氏は20日付リポートで、企業がもう一段のバランスシート調整に乗り出す可能性などが大きく、日米欧の銀行貸出は総じてマイナスに転じ、実態としての信用収縮が続くとの見通しを示している。
 景気が自律的回復に至らないために金融緩和状況を抜け出せず、貸出が伸びないなかで潤沢な流動性は国債に向かうという、日本が失われた20年のなかで経験してきた構図が世界でも繰り返される可能性はある。
 <高まるカントリーリスク
 ただ、それは同時に株価の裏付けである企業業績も本格的に回復しないということを意味する。巨額の財政支出や購買刺激のための減税などの効果が切れる前に、景気を自律的な回復軌道に乗せることができなければ、待つのは増税や緊縮財政だ。
 財政赤字拡大を嫌気し円安に振れたことで日本の輸出株にプラスの影響を与えたとしても、長期的に見れば歓迎できることではないだろう。 
 三菱UFJ証券・投資情報部長の藤戸則弘氏は「日本株取引の過半は依然として外国人投資家が占めている。かつ株価の長期的なトレンドを作るのは商品投資顧問業者(CTA)などの短期筋ではなくペンションファンドなど長期の投資家だ。彼らが資金のアロケーションを決める際にはカントリーリスクを重視する。先進国で最悪の財政水準となっているような国に多くを投資しようとするかは極めて疑問だ」と述べる。
 また国内の機関投資家も「実体経済は政策効果などもあり、再び危機的状況におちいることはないだろうが、政策効果が切れても自律回復基調を維持できるかは不透明だ。株価が明確な方向感をもって上下、どちらかに動くことはないとみている」(大同生命・運用企画部の真珠聡雄部長)と、持続的な株価上昇には疑問を呈している。
 経済協力開発機構(OECD)の予測では日本の債務は2010年にGDP比で197%に達する。米国は100%、ドイツは80%、フランス88%、日本と同じく財政悪化に苦しむイタリアでも127%だ。
 果たして民主党の理念通りに、消費者重視、労働者重視の政策を実行することで消費を刺激し景気を回復させ税収を上げることができるのか、不要不急の予算を削減し財政規律維持の精神を市場に示すことができるのか、残された時間はそう長くない。 (ロイター日本語ニュース 伊賀 大記記者 編集 橋本浩)

(秘書の眼)鳩山連立政権には、「消費者重視、労働者重視の政策を実行することで消費を刺激し景気を回復させ税収を上げることができるのか、不要不急の予算を削減し財政規律維持の精神を市場に示すことができるのか」説明責任があるはずなのですが、経済財政の中長期展望を出すのを拒否しています。いつまで説明責任への拒否姿勢を貫きつつ、市場からの信任を得ることが可能なのでしょうか。

■子ども手当の地方負担、知事会長「話が違う」
(2009年10月20日15時57分 読売新聞)
 平野官房長官が子ども手当の財源に関し、地方自治体に負担を求めることを検討する考えを示したことについて、全国知事会長の麻生渡・福岡県知事は20日の記者会見で「民主党はずっと(財源を)国庫から出すとしていた。今までの話と違う」と強く批判した。
麻生知事は子育て支援について、家庭への現金給付は国が担い、保育所設置などのサービス提供は地方が担うのが望ましいとし、「民主党は、福祉に関しての国と地方の関係をもっと深く考えるべきだ」と指摘した。

■子ども手当、全額国費で=「地方負担、頭にない」-鳩山首相
(10月20日14時11分配信 時事通信)
 鳩山由紀夫首相は20日午後、政府内で意見が割れている子ども手当の財源について「地方に負担させることは今、わたしの頭の中にはありません」と述べ、全額国費で負担するのが当然との認識を示した。遊説先の川崎市内で記者団の質問に答えた。
 首相は「国が手当支給を約束しているから、本来国が頑張らないといけない話だ」と指摘。地方自治体にも負担を求めるべきだとの意見が閣内にあることを念頭に「国の財政も厳しいから、地方も負担しろとの話になっていると思う。しかし、選挙(衆院選)を戦った時には、国費で賄うとの思いで話をしたはずだ」と語った。 

(秘書の眼)これで、議論は一件落着か?