(臨時国会)国会論戦こそが政治主導の生命線 | 中川秀直オフィシャルブログ「志士の目」by Ameba

(臨時国会)国会論戦こそが政治主導の生命線

国会論戦を恐れて、どうして政治主導ができるのだろうか。政治家同士の国会論戦の言葉こそが政治主導の命ではないか。国会での大臣・副大臣・政務官の発言こそが政府の方針のはずである。国会論戦こそが政治主導の生命線である。

臨時国会は10月26日召集の11月30日までの実質34日間しかなく、政府が提出する法案は11本前後に絞り込まれ、政治主導の政権運営に最も必要不可欠な「国家戦略局設置法案」が先送りされている。こんなことでは、政治主導体制の生命線を保つことができないいではないか。

報道によれば、民主党内の一部で国会法改正関連法案の臨時国会提出が検討されているようである。臨時国会で、現鳩山連立政権の政治主導体制確立に不可欠な「国家戦略局設置法案」を先送りして、国会法改正関連法案の成立を期すということの、政治的含意は何か、注目したい。(10月18日記)


(参照記事)毎日新聞社説「臨時国会」「初戦で手抜きはするな」

「鳩山内閣として初の本格国会となる臨時国会の26日召集が固まった。政府が提出する法案は極力絞り込まれる予定で、会期も11月末までの短期間を軸に調整している。

次期国会は『脱官僚』『生活重視』を掲げる現政権にとって、国民に初の実績を示す重要な機会だ。にもかかわらず、生活関連の重要政策や政府の体制を固めるための法案がそろって先送りされては、拍子抜けである。鳩山由紀夫首相の政治資金収支報告書の虚偽記載問題への説明責任も残る。与野党の開幕戦を『消化試合』などにしてはならない。

臨時国会は鳩山首相の所信表明演説と各会派の代表質問を皮切りに、新政権の政策が吟味される。そもそも召集が25日の参院補欠選挙後となるのは遅すぎる。補選を前に首相と谷垣禎一自民党総裁による党首討論を実現すべきだった。加えて、落胆させられるのは政府が提出を予定する法案の品薄ぶりだ。来年度当初予算案の年内編成を優先する首相官邸側の強い意向から、極端に絞り込まれた。

衆院選マニフェストの目玉公約だった子ども手当関連法案やガソリン税の暫定税率を廃止する法案など国民生活に関係する案件の処理が先送りされた。しかも、政治主導の政権運営に不可欠な『国家戦略局』の法制化などの体制強化案も提出しないのはまったく解せない。雇用対策、分権改革など速やかな成果を求められる分野も多いはずだ。

政権交代に伴い例年より予算編成の作業が遅れているのは事実だった。だからといって、国会をおろそかにしてよい理由になるまい。首相の『故人献金』問題への追及が強まる懸念から『本格国会』を避けたとの見方もある。だとすれば、政権の姿勢そのものが問われよう。自民党は国会審議を通じてこの問題を突く構えだ。捜査を理由に説明を避けるようなこれまでの対応はもはや、通用しまい。

また、首相の所信表明に対する代表質問を衆院で民主党が見送るなど、同党には次期国会で政治の変化を印象づけたい狙いもあるようだ。小沢一郎幹事長は官僚の国会答弁を禁止する法案の提出にも意欲を示している。国会を政治家の論戦にふさわしい場とすること自体は賛成だが、内閣法制局長官の答弁禁止など与党内に異論もある。じっくりと議論を深めるべきだろう。むしろ、官僚が与野党議員に事前に質問の内容を確認し答弁を準備する「質問取り」の廃止が先決だ。「官僚答弁」を生む温床となってきたこれまでの慣行をそのまま続けるようでは、いくら政治主導を掲げても論戦の中身は変わるまい」