(天下り禁止)「天下り禁止・給与体系一体改革」でなければならない | 中川秀直オフィシャルブログ「志士の目」by Ameba

(天下り禁止)「天下り禁止・給与体系一体改革」でなければならない

日経新聞社説の結語は「鳩山首相は公務員が定年まで勤務できる環境整備に向け、公務員制度改革の早期実施に意欲を示した。民主党内には公務員の労働条件にもかかわる人事体系見直しに先送り論が強い。だが、天下りにメスを入れるなら、躊躇してはならない」としている。正論である。

民主党内には公務員の労働条件にもかかわる人事体系見直しに先送り論が強いとのことだが、焼け太りは許されない。

「天下り禁止・給与体系一体改革」でなければ国民の利益にならない。天下り禁止しても、全員が身分保障の中で年功序列の終身雇用の恩恵を受けるという「焼け太り」は、許されない。

公務員制度改革関連法案の早期成立が不可欠であり、平野官房長官が来年の通常国会に提出するとしているのは、正しい。

もしも、提出された法案に給与体系見直しがなければ、参院選の争点は、民主党の公務員制度改革の是非になるだろう。

天下り禁止は給与の引き下げや人員削減と一体でなければ、国民負担増となる。

公務員の身分保障はスト権制限の代償措置が根本にある。この問題の根本からどうすればいいのか、鳩山連立政権は来年の通常国会に抜本的な公務員制度改革案を出していただきたい。国民本位の霞が関改革であれば、私は積極的に支持したいし、国会でよりよい改革のために建設的な提案を行っていきたい。

霞が関改革に関連して、鳩山連立政権の「天下り禁止・給与体系一体改革」と「社会保険庁の懲戒処分職員の扱い」を注視していきたい。(9月30日記)


(参照記事)日経新聞社説「天下り凍結」「人事体系見直しを急げ」

「政権の看板にかかわる課題である。国家公務員の天下りについて、鳩山由紀夫首相は省庁によるあっせんの禁止を命じた。麻生前政権の下で内定していた天下りのうち、国所管の独立行政法人の役員人事は公募の実施を決め、凍結した。

各省庁が所管法人に指定席のようにOBを送り込むシステムを見直すため、暫定措置として公募を導入した狙いは理解できる。ただ、本当に天下りにメスを入れるためには、ほとんどのキャリア官僚が定年前に退職する早期勧奨退職の慣行の是正が避けられない。公務員の人事体系の見直しを政府は急がねばならない。

今回、政府が当面の方針を決めたのは、前内閣下で内定した天下り人事の判断を迫られたためだ。衆院選のマニフェストで民主党は天下りあっせんの全面禁止を掲げたが、すべての人事を覆せば混乱を来すおそれもあった。結局、国所管の独立行政法人の役員人事について、公募を導入するという形で凍結した。苦肉の策と言えよう。

だが、官僚OBによる『指定席』一掃を目指すはずの公募も、運営次第では天下りを容認する尻抜けの装置となりかねず、くれぐれも注意が必要だ。政府によると、官僚OBの後任の独立行政法人の役員を決める場合など、当面は公募方式を続ける方針だ。外部有識者による選考委員会を設け適任者を選ぶというが、官僚主導の運営では逆に指定席にお墨付きを与えかねない。

独立行政法人や公益法人への天下りは中央官庁の省益となり、国からの支出が無駄遣いの温床と指摘されてきた。民主党の調査によると、特殊法人も含めて約4500の法人に約2万5000人が天下りをしている。今回の措置で、昨年末に置かれた官民人材交流センターによるあっせんも停止する。公益法人への天下りも含め、仙谷由人行政刷新担当相らによる厳しい監視が欠かせない。

中央官庁が天下り先の確保に固執する背景には、ひと握りの幹部を除きキャリア官僚が定年を待たずに『肩たたき』を受け退職する早期勧奨退職の慣行がある。今の制度のまま慣行を廃止した場合、幹部が長年同じポストに居座り人事が停滞したり、人件費を圧迫する懸念は否定できない。

一定の年齢以上の職員は給与を引き下げて勤務する制度や定年延長など、人事体系の見直しを並行して進めることが肝要だ。鳩山首相は公務員が定年まで勤務できる環境整備に向け、公務員制度改革の早期実施に意欲を示した。民主党内には公務員の労働条件にもかかわる人事体系見直しに先送り論が強い。だが、天下りにメスを入れるなら、ちゅうちょしてはならない」