今日の政策ウォッチ(民主党の脱官僚度?)(秘書ひしょ) | 中川秀直オフィシャルブログ「志士の目」by Ameba

今日の政策ウォッチ(民主党の脱官僚度?)(秘書ひしょ)

■刷新会議事務局長、加藤秀樹氏を起用へ 仙谷担当相
(9月24日19時6分 朝日新聞)
 仙谷由人行政刷新担当相は24日、行政刷新会議の事務局長にシンクタンク「構想日本」代表の加藤秀樹氏(59)を起用する方針を固め、関係者に伝えた。民主党はNPOとの連携を強めており、政治主導の観点から予算編成にも関与を求める考えだ。鳩山首相が帰国する26日以降、正式に発表する予定。
 仙谷氏は今月中にも同会議を発足させるため、主要メンバーの人選を進めている。加藤氏とは先週会い、公益法人の廃止など、行政刷新会議が取り組む今後の作業について意見交換したとみられる。
 加藤氏は73年に旧大蔵省に入省。証券局、主税局などを経て97年に構想日本を設立した。06年からは東京財団の会長兼理事長も務めている。
 構想日本はこれまで、無駄な事業を洗い出す「事業仕分け」を提唱してきた。政治家や市民が役所の担当者と個別の事業について議論し、必要かどうかを判定していく手法で、これによって総予算の1割以上が削減可能とされる。構想日本は橋本内閣での省庁再編以降、全国の自治体の事業仕分けを主導し、公益法人制度改革や三位一体改革にも深くかかわってきた。
 一方、政権内には加藤氏が自民党にも協力的だったとして、起用に慎重論もある。

(秘書の眼)むしろ「民主党は大蔵省OBとの連携を強めている」というのが正確な表現なのでは??刷新会議事務局長、国家戦略室事務局長、財務相はみなさん大蔵省OBです。ちなみに、総理のお父さんも元大蔵次官です。

■福島大臣は「ゼロ回答」 補正予算のムダ洗い直し
(9月24日13時44分配信 産経新聞)
 福島瑞穂消費者・少子化担当相は24日午前、内閣府で副大臣と政務官による政務3役会議を開き、平成21年度補正予算のうち、福島氏が担当する予算に関しては執行停止する事業はないとの認識で一致した。
 鳩山由紀夫首相は各閣僚に補正予算の「ムダ」を洗い出し、執行停止する事業を10月2日までに報告するよう指示している。これを受け、福島氏はこの日初めて正式に政務3役会議を開き、補正予算について検討。約3時間の会議で早々と結論を出した。
 会議終了後、福島氏は記者団に対し「私が担当するのは自殺対策、地方消費者行政の強化、ドメスティック・バイオレンスに関する支援。新政権は命を大事にする政治を実現をしようとしているので、基本的に削らない」と強調した。

(秘書の眼)そうですか、ムダはありませんでしたか。

■<’09天下の秋>黒船襲来!も案外いいかも 3官僚(こっそり)本音
(9月24日15時26分配信 毎日新聞)

官僚にはまだ言いたいことがありそうだが……
 「脱官僚」を目指す鳩山内閣が発足した。当の官僚たちは連立政権をどうみており、霞が関に乗り込んだ新たなボスにどう処する気構えなのか。財務省と国土交通省の中堅、経済財政関連省庁の若手の3官僚が本音を語った。(取材は個別に行いました)【政権交代取材班】

【特集・政権交代】新政権をウオッチ! 最新ニュースから鳩山政権の写真特集まで

 --政権交代をどう思いますか。

 財務 各省とも、役所と前政権の与党政治家が互いに縛りあってガチガチになっている政策がいくつもあるので、思い切ってご破算にできるいい機会です。10年に1度くらいは必要と思います。

 経済関連 徳川幕府も15代で滅びました。同じ組織が権力の座に長く就いているのはおかしい。来るべき時が来たという感じです。

 --省内の空気は。

 財務 まだまだ様子見ですが、「食わず嫌いだっただけで、案外交代してよかったかもね」と話しています。

 経済関連 「ワー、敵が来た!」という印象はないですね。うちは官僚の権限に固執する体質ではないので、民主党を反対勢力と思わない。許認可権限がかなりある農水省などは利益が結びつくので抵抗があるかもしれません。

 国交 予算を組み替えるので、何か変わるだろうと思っていますが、今やれることはない。民主党のマニフェスト(政権公約)と従来の施策が明らかに違うダムや有料道路の部署などは準備していると思います。

 --「政治主導」を掲げる新政権の与党、民主党の官僚批判はどう感じましたか。

 財務 与党になったことがないからこそ言えるセリフ。与党政治家は本来、厳しい判断は自分が背負わなければならない。サボって判断を先送りすると、官僚が「誰も困らない選択肢」に逃げこむしかない。そこが分かっていないのではと思ってしまう。

 経済関連 全体として無駄遣いした側面はないとは言えない。でも、自分は職場で無駄遣いしていない。どこに、湯水のようなお金があるのか。あるならしっかり追及してほしい。

 国交 官僚が物事を決めていたとしても、反対者の声を聞いて落としどころを探す調整の苦労があり、斬新な政策もこぢんまりすることがある。政治主導により、政治家が一番いい案だからやると決めるなら、大胆な施策を打ち出せるのではと期待する。

 財務 民主党には「自分で考える政治家」が自公政権よりは多いと思う。これからは「プラスの配分」ではなく、痛みをどう分かち合うかという「マイナスの配分」の時代。政治家はマイナスの配分から逃げる傾向があるが、新政権は「財源は大丈夫?」と注目されており、逃げないと期待しています。

    ■

 --国家戦略局は機能しそうですか。

 財務 来年度予算は7兆円カットして、マニフェストの政策につける。後は省庁ごとに何兆円カットするか。財務省も知恵を出すだろうが、官僚批判の中で権威を失って非力です。国家戦略局や行政刷新会議には各省庁の中身を見て、メリハリをつけてもらえると期待しています。

 国交 実際問題として霞が関の仕事はかなり細かい。象徴的な政策に絞れば、個人的には機能すると思う。

 --「政治家の手足」になる覚悟は。

 経済関連 役人はまさに政治家の手足だと思う。指令が右なのに手足が左へ向かうようでは、官僚組織の体をなさない。大臣の指示に反抗する人は周りにいません。

 国交 手足と言われ気分が悪い人もいると思うが、発想を転換し知恵袋と受け取ればいいのでは。

 --マニフェストでは無駄遣いを削り2013年度には16・8兆円を捻出(ねんしゅつ)する計画です。

 財務 このうち半分程度は可能だが、それ以上は社会保障や教育など、どうしても必要な部分に切り込む。国民の総スカンを食うと思います。

 国交 与党は優先順位の高いものから予算をつけ、つけられないものを無駄として削る考え方では。与党に無駄でも、地元に無駄でないものもあります。

 経済関連 単年度で使い切るため無駄を防げなかった予算制度を、3年や5年にすれば変わります。

 --今年度補正予算(13・9兆円)からは最大4兆円程度を削減する方針ですが。

 財務 あの予算は本当にいいかげんでした。すべての関係者を満足させようと予算をつけまくったので、半分くらい不要なはず。ただ、いったん自治体に期待を抱かせた分の停止は難しいでしょう。

    ■

 --「天下り根絶」は。

 国交 若い年代は、天下りはなくなると思っていた。だがやめるには経過措置が必要です。幹部は天下りを前提に人生設計してきたでしょうから。

 財務 今の処遇のまま、60歳以降の年収がなくなると、人材が集まらなくなり、日本は他国からますます「出し抜かれる」国になるでしょう。キャリアのうち優秀な者の給与を倍くらいまで上げてくれるなら文句はありません。

 --民主党の主要公約について意見を。

 国交 高速道路無料化は反対。環境面でもあり得ない。道路の維持管理にもお金がかかる。八ッ場(やんば)ダムはあそこまで造って中止するのは、逆に無駄。道路も鉄道もできており、旅館も移転し観光客を呼ぼうという話になっている。

 財務 子ども手当や高校無償化がなぜ年収1000万円以上の世帯にも必要かわからない。低所得者に手厚く配分するのが、国の役割では。

 経済関連 子どもを大事にして将来を考える発想はいいが、給付はサービスにしてほしい。24時間経営の保育園や幼稚園の整備か。我が家も保育園には苦労した。

 --自民党や族議員への思いは。

 国交 利益誘導でゆがめられてきたことは絶対にあった。役人に案を出させ、手直ししたから「おれたちの成果だ」ということもしばしばで、ずるいところもありました。党への対応にも時間がかかり、案を大臣にあげる前に族議員と調整が必要でした。

 財務 善かれあしかれ官僚への「信頼」はあったと思う。

 --新政権に期待は。

 国交 国民もどうなるか分からない上で選んだ。こうなった以上は「お手並み拝見」ですかね。これだけ官僚の仕事が変わると騒いで変わらなければ、問題と思います。

 経済関連 政権交代は楽しみです。ただ、反対の声が多かった政策もある。世論と向き合い、ベストの選択をしてほしい。失敗したら非を認めて謝り、次に生かす政治を望みます。

 財務 期待しています。自分は甘いことだけ選挙民に言って、厳しい判断は先送りする政権ではないと信じます。民主党の先生たちは、官僚に「不信感」を抱いているそぶりをしないと、存在意義が問われると思っていた節がある。毎日顔を合わせる関係になって不信感が解消されればいいと思います。

(秘書の眼)いい意見もたくさんありますね。民主党が「官僚に不信感を抱いているそぶり」をやめて、公務員改革案が「天下り禁止+定年延長+年功序列給与体系維持」になるかどうかを注目しましょう。