(マクロ経済政策論争)直接給付がどのように潜在成長率引き上げにつながるのか、民主党は語るべきだ | 中川秀直オフィシャルブログ「志士の目」by Ameba

(マクロ経済政策論争)直接給付がどのように潜在成長率引き上げにつながるのか、民主党は語るべきだ

民主党の岡田克也幹事長が昨日、日本経団連での説明会で「成長戦略は重要だ。自民党は2%経済成長と言っている。2%という数字はがんばれば実現可能な数字に思えるし、望ましい」と述べたとのことだ。

立党以来、マクロ経済政策の基本方針を語ったことがない民主党がようやくマクロ経済政策論争の土俵にのろうとしていることを、歓迎したい。

しかし、岡田幹事長は、2%成長の具体策や達成年限は明示しなかったようだ。今後の政策論争で是非2%成長の具体策や達成年限を明示していただきたい。

民主党の直嶋政調会長も日本経団連での説明会後、記者団に「日本の潜在成長率は1.5%と言われる。1.5%は早く達成したいし、将来的には2%ぐらいは目標にしていく」と強調されたそうだ。

「アプローチは消費拡大から始める」とのことだが、国からの直接給付に基づく消費拡大はどのように潜在成長率引き上げにつながるのか、民主党は語るべきだ。

潜在成長率というのは、生産性向上と労働力投入により変化するものである。

一時的な消費拡大は潜在成長率引き上げに直結しない。民主党は、子ども手当や高速道路無料化がどのように生産性向上と労働力投入につながり、現在は1%前後といわれる潜在成長率を2%に引き上げるのかを語らなければならない。

また、民主党内に根強い「金利高による景気対策」という考え方についても、党の公式見解なのか否か、はっきりしていただきたい。

私は「金利高による景気対策」というのは究極の「弱肉強食」政策だと思う。小泉政権期の「低金利・円安」の時代を否定して、「高金利・円高」の時代をつくるのかどうか、民主党は党の正式見解を語って頂きたい。(8月5日記)


(参照記事)日本経済新聞「民主、2%成長目標 自民と同水準、具体策・年限示さず」

「民主党の岡田克也幹事長は4日、日本経済団体連合会(日本経団連)で開いた衆院選マニフェスト(政権公約)の説明会で「成長戦略は重要だ。自民党は2%経済成長と言っている。2%という数字はがんばれば実現可能な数字に思えるし、望ましい」と述べ、将来的に年率2%の経済成長を目指す考えを明らかにした。具体策や達成年限は明示しなかった。

 成長戦略を巡っては、自民党が2010年度後半に年率2%の経済成長を目指すことを掲げている。岡田氏は「自民党との間で大きな違いがあるとは思わない」と指摘。具体策については「自民党も具体的にどうやって達成するかを述べていない。どうやってとなると答えは今はない」と語った。

 直嶋正行政調会長も経団連での説明会後、記者団に「日本の潜在成長率は1.5%と言われる。1.5%は早く達成したいし、将来的には2%ぐらいは目標にしていく」と強調。「アプローチは消費拡大から始める」とも述べ、家計支援策を中心に内需拡大を図り、経済成長につなげたいとの考えを示した」