（世論調査）「官主導を政治主導、国民主導に」を完遂できるのはどちらか

下記の世論調査結果から次のことが読み解ける。

「霞が関改革」である「官主導を政治主導、国民主導に」を完遂できるのは、自民党か民主党か、が次期衆院選の争点となる、である。

今の政治の現状に満足していないが８２・７％となっているが、問題はその理由である。税金の無駄遣いが多い６３・０％、国民の意思が反映されていない２７・０％、年金記録問題のような行政の怠慢２１・９％が上位３位までの理由であるが、いずれも官主導政治への不満である。

事実、政治家をどの程度信頼していますかで、７６・２％が信頼していない、官僚をどの程度信頼していますかで、７７・７％が信頼していないとなっている。政治家不信と官僚不信がいずれも７７％前後もあるのである。この意味は、政治家が官僚を主導できず、逆に官僚が政治家を主導していることに対する不信を示している。主客が転倒しているからである。この主客転倒を正すのが、官主導を政治主導・国民主導に、である。

同調査の政党支持率で、自民党の３０・６％に対して、民主党が３３・４％と２・８ポイト上回っているのは、政権交代機運が強いからであるが、その理由に、政権交代すれば、税金の無駄遣いがなくなり、国民の意思が反映され、年金記録問題のような行政の怠慢が正されるのでは、との期待感がある。民主党が政権交代の錦の御旗に「霞が関改革」「官主導を政治主導、国民主導に」を掲げているからである。

自民党がその民主党に勝つには、この錦の御旗を民主党から奪い返すことである。そのためには、政治主導の正体を突くべきである。税金の無駄遣いをなくすとは官公労のリストラ、国民の意思の反映とは国民益優先、年金記録のような行政の怠慢を正すとは官公労のリストラとなるのであり、そのような政治主導を官公労主導の民主党ができるのか、と問うのである。当然、自民党の政治主導も問われるのであり、官主導の既得権益型政治から政治主導の国民益型政治へのチェンジが求められる。（６月１４日記）


（参照記事）東京新聞「８３％が『政治に不満』」「税金無駄遣いを批判」「世論調査、官僚不信も浮き彫り」

「政治の現状に『全く満足していない』『あまり満足していない』と感じている人が計８３％に上ることが、本社加盟の日本世論調査会が６、７両日に実施した『政治意識』に関する全国面接世論調査で分かった。

不満の中身を聞いた『今の政治で何が問題か』（複数回答）では『税金の無駄遣いが多い』が６３％で断然トップ。逆に『政治に取り組んでもらいたい分野』（同）では『年金、医療、介護など社会保障制度の充実』６９％、『経済の安定・成長』４４％の２つが飛びぬけて多かった。一方、政治、行政を担う政治家と官僚を『全く信頼していない』『あまり信頼していない』との回答がそれぞれ計７６％、７８％に達し、政治不信に加え、官僚に対する信頼も大きく揺らいでいる実態が浮き彫りになった。

『むだ遣い』批判と社会保障制度充実への期待にどう応えるか。各党の取り組み姿勢は次期衆院選の行方に影響を与えそうだ。政治への不満の２位以下は『国民の意思が反映されていない』２７％、『年金記録問題のような行政の怠慢』２２％。取り組んでもらいたい分野の３位以下は『教育の充実』『セーフティーネットの整備』各１６％、『安心社会の実現』１２％だった。日本が『どのような国に最もなってほしいか』との質問では『平和国家』３５％、『福祉国家』３３％などの順だった」。

「問１、あなたはどの政党を支持していますか。自民党３０・６％、民主党３３・４％、公明党４・６％、共産党２・８％、社民党０・９％、国民新党０・３％、改革クラブ０・０％、新党日本０・１％、その他の政党０・８％、支持政党なし２４・６％、わからない１・９％。

問２、あなたは今の政治にどの程度満足していますか。大いに満足している０・４％、ある程度満足している１５・８％、あまり満足していない６２・４％、全く満足していない２０・３％、わからない１・１％。

問３、あなたは今の政治で何が問題だと思いますか。２つまでお答えください。税金の無駄遣いが多い６３・０％、国民の意思が反映されていない２７・０％、年金記録問題のような行政の怠慢２１・９％、どのような国を目指すかビジョンがない１７・２％、政治とカネの問題１６・９％、人気取りばかりで政党や政治家を信用できない１６・２％、官僚の力が大きすぎる１５・２％、政局優先で国会が十分、役割を果たしていない１４・８％、その他０・９％、わからない１・０％。

問４、あなたが政治に取り組んでもらいたい分野は何ですか。２つまでお答えください。年金、医療、介護など社会保障制度の充実６８・９％、経済の安定・成長４３・９％、教育の充実１６・２％、失業対策などセーフティ―ネットの整備１５・８％、食の安全、犯罪防止などの安心社会の実現１２・２％、少子化対策１１・４％、行財政改革１０・２％、温暖化対策など地球規模の課題への対応９・３％、外交・防衛の強化６・４％、その他０・３％、わからない０・７％。

問５、あなたは今の政治家をどの程度信頼していますか。大いに信頼している０・５％、ある程度信頼している２２・２％、あまり信頼していない６１・９％、全く信頼していない１４・３％、わからない１・１％。

問６、あなたは官僚をどの程度信頼していますか。大いに信頼している０・９％、ある程度信頼している１９・７％、あまり信頼していない５４・７％、全く進退していない２３・０％、わからない１・７％。

問７、あなたは今の政党にどの程度期待していますか。大いに期待している２・９％、ある程度期待している３０・２％、あまり期待していない５１・０％、全く期待していない１５・０％、わからない０・９％。

問８、あなたは政党を評価する場合に何を重視しますか。理念・政策４９・１％、実績２１・９％、党の体質・イメージ１３・７％、所属議員の顔ぶれ６・６％、党首６・１％、その他０・３％、わからない２・３％。

問９、あなたは日本はどのような国に最もなってほしいと思いますか。平和国家３４・６％、福祉国家３３・２％、経済大国１３・６％、環境先進国７・１％、科学技術先進国５・２％、文化国家３・９％、その他０・３％、わからない１・０％。

問１０、あなたは地方分権のあり方をどのように考えますか。地域のことは基本的に地方自治体に任せるべきだ７１・１％、中央政府がある程度、地方自治体をコントロールした方がよい２４・０％、その他０・６％、わからない４・３％」。

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