(対立軸)「官から民へ」の自民党・「民から官へ」の民主党 | 中川秀直オフィシャルブログ「志士の目」by Ameba

(対立軸)「官から民へ」の自民党・「民から官へ」の民主党


日経新聞の坂本英二・編集委員が「『官から民へ』見えぬ決意」の冒頭で書いている、

「一連の騒動で浮かび上がったのは『官から民へ』の改革にどう取り組むかの軸足が定まらず、統制を欠いたまま時間を費やす麻生内閣の姿だった」

は、正論である。

「官から民へ」の改革完遂は、4年前の05年郵政総選挙で、民意が与党に衆院の3分の2以上の議席を与えた際の約束だからである。次期衆院選で、民意から与党が問われるのは、その約束を果たしたのか、否かである。それがマニフェスト選挙である。

具体的には、郵政民営化、公的金融機関の完全民営化、その次の公務員制度改革、国の出先機関改革の進捗である。中でも郵政完全民営化は、「官から民へ」の改革の入口であり、原点である。にもかかわらず、「官から民へ」ではなく「民から官へ」と逆行させようとするエネルギーが高まっている。郵政民営化を頓挫させ、郵政「官営化」に戻そうとし、05年の民意との約束を反古しようとしたのである。

だから、麻生総理は今回の人事により、「官から民へ」の改革の入口、原点に回帰することができた。

この原点に立つことによってのみ、「官から民へ」ではなく「民から官へ」の民主党との対立軸ができる。

日経新聞記事が指摘するとおり、民主党は、公的金融機関の完全民営化を頓挫させ、その次の公務員制度改革、国の出先機関改革にも態度を鮮明にしていない。

自民党が「官から民へ」の旗を鮮明に掲げることによってのみ、郵政民営化に反対して国民に還元されるべき資源を再び官の世界に埋め込もうとする「民から官へ」の民主党との対立軸が明らかになる。だからこそ、「民から官へ」の郵政民営化反対派が離党することがあったとしても、何の不思議もない。注視する必要がある。(6月13日記)

(参照記事)日経新聞・坂本英二・編集委員「『官から民へ』見えぬ決意」

「政権を揺るがす事態に発展した日本郵政の社長続投問題は、鳩山邦夫総務相の事実上の更迭でひとまず決着した。一連の騒動で浮かび上がったのは『官から民へ』の改革にどう取り組むかの軸足が定まらず、統制を欠いたまま時間を費やす麻生内閣の姿だった。

『遅きに失した』『久々に指導力を見せた』。今回の更迭劇への与党内の評価は様々だ。麻生太郎首相は鳩山氏の言動をぎりぎりまで放置し、自民党内の『民営化路線に逆行するなら反旗を翻す』という声に押されてようやく重い腰を上げた。

鳩山氏が西川善文社長の再任に難色を示した発端は『かんぽの宿』をオリックスに一括譲渡するという経営判断への疑問だ。ただ売却方法の徹底検証は必要だとしても、西川氏との立場の違いを『正義対不正義』の戦いと断じ、首相に二者択一を迫る手法は閣僚としての常軌を逸していた。

鳩山氏は法相だった2007年に『友人の友人がアルカイダ』などの発言で物議を醸した。首相が総務相に起用した真意は分からないが、鳩山氏は旧東京中央郵便局の保存問題でも日本郵政と対立し、民営化の逆戻りを狙う政治家を勢いづかせる結果となった。

与党の圧勝で終わった『郵政選挙』からまもなく4年。構造改革への取り組みを巡る混乱は、安倍政権での郵政造反組の復党や麻生首相の『郵政民営化に賛成じゃなかった』とする発言が伏線となっている。

政府・与党は4日の日本政策投資銀行法改正案の衆院採決で、民主党の主張に配慮し『政府が政投銀株の3分の1超を保有する』との表現を盛り込んだ。完全民営化の修正ともいえ、公的金融の位置づけが極めてあやふやになっている。

麻生内閣では2月に記者会見で醜態をさらした中川昭一財務・金融担当相、5月に女性問題で鴻池祥肇官房副長官が辞任。今回の鳩山氏を含め、いずれも首相の盟友とされた人物だ。

自民党の一部には衆院選前の内閣改造で局面転換を図る意見もある。だが首相は今回の決断で、郵政改革などへの立場を明確にしたわけではない。次期衆院選が秒読みとなる中、政策の基軸が見えないままでは迷走は止まらない」

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