(厚労省分割案)「省庁別設置法廃止」と「道州制前提の税源移譲」に飛び火すべき | 中川秀直オフィシャルブログ「志士の目」by Ameba

(厚労省分割案)「省庁別設置法廃止」と「道州制前提の税源移譲」に飛び火すべき


麻生総理が厚生労働省の分割の検討の表明を受けて、『省庁再編論議に飛び火したら厄介な話になる』という声があるようだが、「省庁別設置法廃止」と「道州制前提の税源移譲」に飛び火すべきであろう。

私は時の総理が自分のビジョンを実現するための組織がもてるようにすればいいと思っている。そのためには、縦割り行政の根幹にある「省庁別設置法」を廃止して、「政府設置法」一本にして、政令により省庁の枠組みを柔軟に変えられるようにしたらいいと思う。

民主党は、政権公約の柱に霞が関改革を位置づけ、天下り全面禁止、国会議員100人を「霞が関」の中央省庁に送りこむ構想、首相主導で予算編成を目指す「国家戦略局」創設を公約にするらしい。そのうえ、霞が関改革の要諦である地方分権推進を政権公約の中枢に据えるとし、国のひも付き補助金や国直轄事業の地方分担金の廃止、中央省庁の出先機関の廃止を明記し、その改革の手順を示す分権改革基本法を制定するとしている。鳩山代表は「首相になって一番やりたいことは地域主権の国に変えることだ」といっているそうである。

これに対抗するには、いま、同志とともに推進している「幹部公務員法」制定を入口として、「省庁別設置法廃止」「道州制を前提とした税源移譲」を公約として掲げていくべきであろう。

そのうえで、党首討論では、鳩山代表に、官公労の大リストラができるのか、ということを問い詰めるべきである。(5月24日記)

(参照記事)日経新聞「厚労省分割論、首相の真意は」「突然の指示憶測呼ぶ」「行革で民主に対抗」「消費税増税へ布石」

「麻生太郎首相が厚生労働省の分割の検討を表明した。不祥事続きの巨大省庁の分割論は世間受けしやすく、行政改革への熱意を示すうってつけのテーマであり、行政改革を前面に打ち出す民主党の鳩山由紀夫代表に対抗する狙いがある。一方、与謝野馨財務・金融・経済財政相らが仕掛けた『消費税増税へのくせ球』との見方もあり、様々な思惑が絡んでいる。

『厚労省を分割すればよいという次元の話にしない』。首相は19日の経済財政諮問会議で、与謝野氏に幼稚園と保育園を一体にする幼保一元化と併せ、厚労省の分割を検討するよう指示した。甘利明行政改革担当相も、舛添要一厚労相も寝耳に水だった。

少子高齢化の進展に伴って、同省が所管する分野の重要性は増すばかりだが、不祥事も相次いでいる。国の予算の半分を占める巨大官庁のため、分割が必要との意見もあった。首相も15日の安心社会実現会議で、医療、介護、年金を『社会保障省』、雇用、少子化を『国民生活省』に統合する考えを披露したが、正式な指示を予想した者はほとんどいなかった。

首相に指示を急がせた理由の1つは民主党代表に就任した鳩山氏が行革を重点政策に掲げていることだとみられる。鳩山氏は天下り全面禁止や、国会議員100人を『霞が関』の中央省庁に送り込む構想、首相主導で予算編成をめざす『国家戦略局』創設を公約した。20日の民主党『次の内閣』会合は『民主党こそ行革の本家』という方針を確認した。

首相にとって厚労省の分割は民主党が力を入れる年金批判を封じるとともに、少子化対策の解決策を示す狙いがある。衆院選前には大きなビジョンを出すだけで済むため『言い得』の側面もある。

ただ、唐突な首相指示には与党内にも戸惑いがある。自民党の保利耕輔政調会長は22日の総務会で『何も聞いていない。不愉快だ』と表明。首相周辺は『省庁再編論議に飛び火したら厄介な話になる』と気をもむ。

民主党への対抗心以外の思惑の指摘もある。厚労省分割はむしろ与謝野氏の持論だった。安心社会実現会議で、厚労省分割を最初に提案したのは渡辺恒雄読売新聞グループ本社会長。消費税増税論者である与謝野、渡辺両氏がつくった流れに、首相が後から乗ったようにもみえる。『きちんと仕事をする体制』をつくると約束して、社会保障費を賄うための消費税増税への反発を和らげ、首相の持論『景気回復後の消費増税』につなげるつもりではないか。そんな見方もある」