(野党共闘優先)民主党はどうやって政権運営をするというのか | 中川秀直オフィシャルブログ「志士の目」by Ameba

(野党共闘優先)民主党はどうやって政権運営をするというのか

民主党が、野党共闘を優先視し、「海賊対処法案」に反対したという事実は、民意の民主党への政権交代期待を大きく損なうことになる。

朝日の世論調査(18,19日)の「海賊対策のためにソマリア沖に海上自衛隊を派遣することに賛成ですか、反対ですか」で、賛成61%、反対26%となっている。

しかし、民主党の外交・安保という国策の中枢に、旧社会党的思考である「自衛隊性悪説」による自衛隊海外派遣絶対反対が明確に位置づけられた。

民主党は、この野党共闘の延長線上に、どうやって、連立政権を運営するというのか。(4月23日記)



(参照記事)日経新聞「海賊対処法案きょう衆院通過」「民主、野党共闘を優先」「修正協議は決裂」「与党、強気崩さず」

「海賊対処法案を巡る与党と民主党の修正協議が22日、決裂した。民主党は安易な修正合意に反対する社民、国民新両党との共闘関係を優先し、妥協のハードルを下げなかった。与党側も2009年度補正予算案の審議に集中するためには週内の衆院通過が譲れないとみて合意を断念。双方の思惑から歩み寄りの機運は最後まで盛り上がらなかった。

『妥協しなければ採決に応じてもいいよ』。衆院海賊対処特別委員会の自民、民主両党筆頭理事が協議を続けていた22日午後。民主党の山岡賢次国会対策委員長は国会内の一室で鉢呂吉雄同党筆頭理事と会って伝えた。4時間後、衆院特別委理事会で協議決裂と23日の政府案採決が正式に決まった。

民主党は自衛隊派遣の国会での事前承認にこだわった。与党側は国会議決で派遣中止などを可能にする条文を盛り込む妥協案を示したが、直嶋正行政調会長は直後に鉢呂氏らに合意しない方針を指示。執行部にはもともと『事前承認の丸のみ以外の合意はない』との判断があった。

譲歩に慎重な背景には社民、国民新両党の意向がある。社民党は自衛隊派遣に反対で、国民新党は民主党の修正要求に注文をつけた。小沢一郎代表は衆院選の選挙協力などを意識し『3党がそろうようにやれ』と担当者に指示しており、共闘優先の立場を取らざるを得なかった。

一方で海賊法案制定を求める党内の保守系議員らにも配慮し、他の野党の反対を承知で民主党修正案を衆院採決するという苦しい運営も強いられる。民主党内では野党多数の参院でも『党内や野党内に亀裂が入りかねない法案はさっさと反対して片づけた方がいい』との声が強く、6月3日の会期末までに採決する可能性が高い。ただ、社民党が審議引き延ばしにこだわった場合など不確定要素も残っている。

『我々は原案がベストだと思っている』。22日、与野党協議決裂後、記者会見した衆院海賊対処特別委員会自民党筆頭理事の中谷元氏はこう力説。大島理森国対委員長は公明党幹部に電話で『法案修正せずに済んでよかった』と語った。

与党執行部は当初から修正協議が不調に終わった場合でも、麻生太郎首相が答弁で海賊対策の緊急性を説明したうえで、週内の特別委採決→衆院通過との段取りを描いていた。海賊対策は国民の理解が比較的得やすく、衆院選に向けて政府・与党の実績になり得るとの読みが強気を支えた。『相手の主張に相当にじり寄ったが、整わなかったのは残念だ』(公明党の佐藤茂樹理事)。与党には修正協議を通じて野党にある程度歩み寄る姿勢を示すことで『強行採決』の色彩を弱める思惑もあったとみられる」