(北決議割れる野党)民主党は北朝鮮のミサイル発射を非難できない勢力と手を組むのか | 中川秀直オフィシャルブログ「志士の目」by Ameba

(北決議割れる野党)民主党は北朝鮮のミサイル発射を非難できない勢力と手を組むのか

北朝鮮のミサイル発射を非難する国会決議は、7日の衆院本会議で、社民党は棄権、共産党は反対で、全会一致の決議とはならなかった。問題は、社民党が棄権したことである。社民党は、民主党が次期衆院選で政権交代を実現する「連立政権」のパートナーであるのに、国策の基本である安全保障を巡って別行動を取ったのである。

国会決議が全会一致でなかったことは残念なことであるが、それよりも深刻なのは、次期衆院選で国民の審判を仰ぐ一方の政権の枠組みの中に、北朝鮮の今回のミサイル発射を非難できない勢力がいることである。

北朝鮮の脅威から国民の生活と安全を守ることが政治の責務なのに、その北朝鮮の脅威がないという政党と民主党は連立を組んで、政権交代をと主張するのか。それでもなお、民主党は、社民党との連立を前提に次の衆院選を戦うのか。(4月8日記)


(参照記事)読売新聞「北決議割れる野党」「社民棄権、民主内に強い批判」

「北朝鮮が『人工衛星』だと主張して弾道ミサイルを発射したことを非難する国会決議をめぐり、野党内で対応が割れた。7日の衆院本会議で、民主、国民新両党は賛成したが、社民党は採決を棄権、共産党は反対した。民主党の小沢代表は、国民新党と友に、社民党も次期衆院選で政権交代を実現した場合の連立政権のパートナーとして位置づけているが、今回の国会決議への対応で食い違いが出たことで、民主党内からは社民党との連立を不安視する声が上がった。

社民党は3月31日に北朝鮮へ自制を求める国会決議を衆参両院で採択した段階で、ミサイルが発射された場合の国会決議について、①『飛翔体』がミサイルか人工衛星か断定できるか②明白な国連安保理決議違反といえるかどうか③制裁強化が北朝鮮の核問題をめぐる6カ国協議に影響を与えないか――などを考慮して対応を決めることを、全議員が出席する党国会対策委員会で確認していた。

6日の衆院議院運営委員会理事会で与党案が提示されたのを受け、社民党は民主、国民新両党と、ミサイルを『飛翔体』と言い換えるなど与党案を弱める『3党案』をまとめた。社民党は7日朝の国対委員会で、与党が3党案に譲歩しない場合は、決議案の採決を棄権する方針を確認した。保坂展人副幹事長によると、反対しなかったのは『北朝鮮に何らかの抗議の意思を示す必要がある』と判断したためだ。

しかし、結局、7日午前の調整で与党は譲歩せず、民主、国民新両党は賛成に回り、社民党は棄権した。こうした社民党の対応について、民主党からは『連立を組んでも大丈夫かという声がまた強くなる。早く手を切った方がいい』(保守系)との声が上がった。旧社会党議員から『いずれは合併した方がいいという考え方だったが、考え直さないといけない』との厳しい意見も出ている。

一方、共産党は7日朝の党国会対策委員会で①発射されたものがミサイルだと断定すべきでない②ミサイルが発射されたとの断定を前提に、国連安全保障理事会の決議違反と断定すべきでない――などの考えをもとに、決議案への賛否を判断することを決めた。その結果、与党案は受け入れられないとして、反対した。衆院決議に賛成した国民新党は、参院では、自民、民主両党主導の文言調整に反発し、棄権する意向だ。

北朝鮮のミサイル発射を非難する国会決議は、7日の衆院本会議で共産、社民両党が同調せず、全会一致とはならなかった。国民の安全を最優先に考えるべき時、両党の対応は不可解といわざるを得ない。日本は米国と共に国連安全保障理事会の場で、北朝鮮への非難を強める新決議案の採択を各国に呼び掛けている。それにもかかわらず、国内で足並みが乱れては、国際社会の分断を狙う北朝鮮に誤ったメッセージを送りかねない。

両党とも、北朝鮮に対し、抗議や遺憾の意を示してはいる。しかし、国連安保理決議違反と断定できるかどうかに加え、日本独自の制裁強化についても『外交的な解決の障害になる』(共産党)などと主張し、与党や民主党と折り合わなかった。中国やロシアなどにはこうした考え方もあるだろう。しかし、北朝鮮の脅威に直面する日本は、国民の安全を守るため、国際社会を説得する立場のはずだ。とりわけ、民主党とともに政権交代を目指す社民党が棄権したのは理解できない。国家の基本をなす安全保障を巡って今回のような対応しかできないのでは、国民の信頼感は得られない」。