(郵政完全民営化)郵政完全民営化を財源に、国民の「雇用」、国民の「仕事」確保を | 中川秀直オフィシャルブログ「志士の目」by Ameba

(郵政完全民営化)郵政完全民営化を財源に、国民の「雇用」、国民の「仕事」確保を



社説に書いている「民営化委員会は株式公開で経営の透明性を高め、市場規律を徹底させることが『民営化を最終的に成功に導く』と強調している。05年の衆院選で与党に3分の2を超す議席を与えた民意の原点はここにある。極力早く実現するのが筋であり、改革路線は着実に進めるべきだ」は、正論である。

半年以内に行われる次期衆院選で、民意から、4分社化と株式上場への完全民営化への進捗度を問われる。どれだけ郵政完全民営化が進んだか。

「郵政完全民営化」のベクトルと逆にいくのかどうか、それが古い自民党に回帰しているのかどうかの一つの判断材料になるだろう。

「郵政完全民営化」とは、国民に改革の利益を還元し、国民の「雇用」、国民の「仕事」を確保することを意味する。

100年に一度の経済の縮小が起きる中、「大胆かつ柔軟」な超大型経済対策を行わなければならない。そのための財源が、「郵政完全民営化」をはじめとする各種の民営化からねん出される。

「郵政完全民営化」をはじめとする各種の民営化に反対するひとたちは、それらの資産を国民に還元することなく、既得権益として維持したひとたちだ。そのひとたちは、超大型経済対策の財源は増税しかない、といってくるだろう。

このように、安易な増税派と既得権益維持派は一体である。

この春以降、次の3つのうち、どれを選択するのかが迫られる。

①郵政完全民営化等の利益を国民に還元することを財源に、超大型経済対策で国民の雇用を守る。
②郵政完全民営化を見直して、大増税を財源に、超大型経済対策で国民の雇用を守る。
③超大型経済対策をやらない。

私は、上記の①を断固推進する。これが「新しい自民党」の路線である。

党内の一部に、まだ、②の「古い自民党」勢力がいるのではないか。これが民意の疑問である。

では、国民新党、社民党、民主党は上記の①②③のどれを選択するのか。

民主党に聞きたいことは、いまの経済情勢をどうみているのか、だ。

民主党は増税論議を避けるために、10兆円の無駄を財源にするといっているが、それはすでに07年参院選で出した政策の財源になっているはずだ。

新しい経済情勢の変化の中で、新たに発生した需給ギャップはどの程度と試算して、そのためにどれだけの新経済対策を行うのか。その財源はいくらで、どのようにねん出するのか。

「敵失」を叩くだけの政治をやめにして、責任ある政策論争をすべき時ではないか。

そして、マスコミも、そろそろ、マクロ経済の議論を捨象して、無条件に当局の政策論に与しつつ、国民に先行き不安を煽る報道をすることが、広告収入激減という形で、自分の首を絞めて、自らの雇用問題に直結していることに、気づいていただきたい。(3月15日記)



(参照記事)日経新聞社説「4分社での着実な民営化を」

「政府の郵政民営化委員会が、2007年10月に始動した民営化の進み具合を点検する『見直し意見』をまとめた。4分社化や株式上場といった改革路線を着実に進めるよう促す一方で、サービス低下の批判にも言及し、改善を求めた。

民営化委員会は株式公開で経営の透明性を高め、市場規律を徹底させることが『民営化を最終的に成功に導く』と強調している。05年の衆院選で与党に3分の2を超す議席を与えた民意の原点はここにある。極力早く実現するのが筋であり、改革路線は着実に進めるべきだ。

郵政民営化法は施行後、3年ごとの見直しを課している。今回の意見は郵政改革について民営化委がつけた最初の『通知表』となる。民間企業になってわずか1年半という時点なので、民営化の意義を再確認し、新たな課題を指摘する作業に力点を置いた。

公的部門の肥大化でゆがんだ金融市場での資源配分を、民間の秩序で効率良くする。国民の利便性を向上させ、事業の価値を高める。民営化委がこうした原則について確認したのは適切だった。

自民党内の一部や、国民新党などの野党には、日本郵政の傘下に郵便事業、郵便局、ゆうちょ銀行、かんぽ生命保険の4社がぶらさがる体制の修正や撤回を求める声がある。金融2社の株式上場の凍結論も浮上している。民営化委は双方の問題に特に言及せず、従来路線の維持が当然という立場をとることで、明確な『ノー』の姿勢を示した。

窓口の混雑や手数料引き上げと言った批判の声を列挙し、利用者の利便向上も促した。現時点では郵政側の改善努力を見守るべきで、組織体制に手をつけるのは早計だ。ただ、金融2社への業務規制の緩和を急ぎ過ぎるのは、民間との健全な競争を考える上で疑問もある。極力早い株式上場を果たすのが先決だろう。

鳩山邦夫総務相が『かんぽの宿』の売却などで日本郵政の経営にしきりと横やりを入れている。民営化委が『公正で透明な手続き』に配慮すべきだと指摘したのは当然としても、経営の自由度を過度に奪うような政治介入はもっと強くいさめる必要があったのではないか」