(経済危機)小泉改革以前の80年代・90年代の日本に戻せばいいという議論は間違いである。 | 中川秀直オフィシャルブログ「志士の目」by Ameba

(経済危機)小泉改革以前の80年代・90年代の日本に戻せばいいという議論は間違いである。




 100年に一度の経済危機、戦後最大の経済危機に直面している日本経済は、90年代の「失われた10年」をしのぐ「20年不況」に入り込んでいる。内閣府が19日発表した2008年10-12月期の経済全体の需要と供給の差を示す需給ギャップは、マイナス4・3%と、ほぼ7年ぶりの大幅な需要不足の状態となった。マイナス4%は金額にすると20兆円の不足となるが、09年1-3月期の需給ギャップは、更に増幅し、みずほ総合研究所によればマイナス6・6%となり30兆円強に達するという。これまで需給ギャップが最もマイナスとなったのは99年1-3月期の5・0%であるから、それを超えることになる。戦後最大のデフレ不況となりつつあるのが、戦後最大の経済危機の本質なのである。

 ここでは、政府・日銀が一体となって、大胆かつ柔軟な経済対策を行うことが重要である。昨今のいろいろな議論を見ていると、その緊張感に欠けていないだろうか。

マスコミのアジェンダ設定と問題設定もずれていないか。「失われた10年」を脱却させて、戦後最長の景気拡大を実現させたのが、小泉構造改革である。小泉政権末期には名目成長率もプラスになり、雇用拡大の兆しもあった。あの段階での「改革なくして成長なし」路線は正しかった。それを小泉構造改革は間違いで、小泉改革以前の80年代・90年代の日本に戻せばあの頃と同じいい生活ができる、という議論がある。この議論は間違いである。

80年代・90年代の日本と同じことを、中国をはじめ、他の国ができる時代になっている。そこに日本国民が幸せになれるような居場所はない。われわれは、不安に打ち勝って、次の時代に前進するしかない。われわれが不安に打ち勝って前進する以外に、次世代の未来への責任を果たすことはできない。

自民党は、小泉構造改革の次の社会をめざすビジョンを掲げ、「戦後最高の景気対策」を具体策として提示する「新しい自民党」として国民の信を問うべきである。(2月20日記)



朝日に「景気浮揚」「民主も追加策」「政権見据え策定へ」が書かれている。

「民主党が独自の追加経済対策の策定を始めた。昨秋に固めた総選挙マニフェスト(政権公約)で、高速道路無料化や月2・6万円の子ども手当創設、農業者戸別所得補償などを柱に4年間で56・9兆円の対策を打ち出したが、予想を超える急激な景気悪化で、より積極的な財政出動を求める意見が党内で噴き出したためだ。

『今の経済の状況をみて追加的な対策も必要だ』。08年10~12月期の国内総生産(GDP)が年率換算で12・7%減と速報された16日、小沢代表は記者団にこう話した。最近の一層の景気悪化に対し、政府・与党は09年度予算成立後に補正予算案を編成する方針。『自民党政権の継続こそ政治空白』とする民主党は、早期解散を求める立場から補正編成に反発しているが、追加対策の必要性では一致している。

ただ、対策の規模について党内の足並みはそろっていない。太陽光パネル設置補助や全小中学校・病院耐震化、科学技術支援など、現在、追加対策で想定される事業は『3兆~4兆円の上積みで足りる』(党政調幹部)。しかし、前原誠司副代表は15日のテレビ番組で「最低でも1年で30兆円以上プラスというぐらいの気持ちでやらないと日本経済は底抜けする」と述べ、相続税減免措置付きの無利子国債にも言及。鳩山氏も大規模な財政出動を主張している。

総選挙での政権交代が現実味を増す中、経済対策の実行手順や財源の根拠についても明確に描く必要があり、執行部は、解散・総選挙の時期も見極めながら、対策作りを進める考えだ」