(消費増税)政局・政策の焦点は消費増税に | 中川秀直オフィシャルブログ「志士の目」by Ameba

(消費増税)政局・政策の焦点は消費増税に


政局・政策の焦点は、定額給付金から2年後からの消費増税に移った。もしも、このまま党議決定・閣議決定すれば、2年後からの消費増税が次期衆院選及び来年の参院選の最大の争点となる。「2年続けての増税選挙」となるだろう。


2年後からの消費増税について、自民党内で「平場(ヒラバ)の議論」が一度もなされたことがない。ごく一部の議員だけでこのように国民生活に直結することが決まるようなことがあってはならない。


「平場(ヒラバ)の議論」であった今朝の自民党政調全体会議に私も出席して5回ほど発言させていただいたが、発言した全議員は私と思いを同じくしていたようにおもう。


驚いたことに、内閣府の試算で最も楽観的なシナリオでも、2011年度にはいまの失業率が高くなる。失業率は08年の4.2%から2011年度に4.4%に増えるという。


そして、標準ケースで2011年度の失業率は4.5%、悲観シナリオで失業率は4.9%になる。


このいずれのケースでも、2011年度から消費税率を1%ずつあげていく試算をしていた。


失業率が高まっても増税するとはどういうことなのか。


景気のどん底で増税をしたら二番底、三番底に景気は悪化するはずだ。この指摘に対して、しっかりとした答えはなかった。


毎年増税すれば、かけこみ需要が期待できる、それこそ景気対策と本気で考えている人がいるようだが、これこそ世界の非常識ではないか。デフレ下でそんなことができるわけがない。


明日も財金部会や政調全体会議がある。私も積極的に発言していきたいと思う。(1月14日記)


(参照記事)朝日新聞「時時刻刻」「造反『第1波』自民しのぐ」「予算案、再可決・・国会の山場続く」「消費税調整、難航は必至」


「自民鳴動して造反2人。麻生首相が、今国会最初の山場を何とかしのげたのは、衆院解散の先送りで、造反予備軍に様子見ムードが広がったためだ。しかし、予期せぬ造反者も現れ、先行きに暗雲も漂う。『消費増税』が焦点となる新年度予算採決など山場は次々遣ってくる。はたして予算成立までたどり着けるのか」。


「・・・『造反政局』はこれで終わらない。『第2波』は2月中旬に予想される09年度予算案と関連法案の衆院採決だ。渡辺氏と親交のある塩崎恭久元官房長官は13日、茂木敏允前行革担当相らと集まり、近く経済政策の提言をまとめる方針を決めた後、記者団にこう語った。『消費税は一度も党内で議論されていないんです』。


予算関連の税制改正法案の付則には、民主党との対立軸作りにこだわる首相の意向で『3年後の消費増税』が盛り込まれる。だが、中川秀直元幹事長らが反対を明言しているうえ、公明党も批判的だ。『給付金』よりも派閥や公明党の締め付けも効きにくく、たがはゆるみやすい。


細田幹事長は『消費増税』を選挙公約に盛り込む考えを示しているが、執行部内にも『付則に入れる必要は全くない』と不満がくすぶり、党内調整は難航必至だ。幹事長経験者はこう指摘する。『党内の興味はもう、給付金から消費税へ移っている』。


3月中旬には『第3波』が押し寄せる。給付金を含む補正予算関連法案について、民主党は給付金部分を分離した修正案を参院で可決し、衆院に回付する方針。今回、『補正予算全体には反対できなかった』(中堅議員)として渋々賛成した自民党議員は、次は『野党の修正案に賛成』するという選択肢を得る。


消費増税が焦点となる09年度予算関連法案を衆院再議決する4月中旬の『第4波』は、もっと緊迫しそうだ。『予算成立後の解散』の観測が強まっていれば、『麻生首相で総選挙は戦えない』とみる反麻生グループの動きが活発化している公算が大きい。


これに対し党執行部の『造反封じ』の切り札は、やはり選挙の公認権だ。小選挙区のもとで05年郵政選挙のように刺客を送られれば、地盤の弱い議員は苦戦を免れない。自民党幹部は『小選挙区のもとで党に逆らうのは無理だ』と自信をみせる。


しかし、郵政選挙で300人以上に膨れあがった自民党議員は、千差万別だ。渡辺氏のように選挙地盤が強くて党の支援が不要な議員もいれば、逆に党の支援を受けても勝ち目の薄い議員や、党内調整がもつれて立候補する選挙区さえ決まっていない議員もいる。こうした議員は総選挙が目前に迫れば、生き残りをかけてなりふり構わず、民主党や渡辺氏の誘いに乗らないとも限らない。


渡辺氏にあと16人が続けば、麻生政権はねじれ国会の伝家の宝刀である『衆院再議決』のカードを失って立ち往生する。大物議員も小泉チルドレンも、『1票』の重みに変わりはない。渡辺氏に続いて造反し、政務官を辞任した松浪氏は、上司にあたる河村官房長官や与謝野経済財政相、所属派閥の伊吹文明会長にも事前に伝えていなかったため、党執行部には寝耳に水。細田幹事長は『1人も例外がないと思っていたが、1人出たということは残念だ』と驚きを隠さなかった。これが『アリの1穴』になるのか、予算成立まで気を許せない政局が続く」