(政治主導)民主党の政治主導構想について | 中川秀直オフィシャルブログ「志士の目」by Ameba

(政治主導)民主党の政治主導構想について

民主党が政権交代して何をするのかが明らかになるのはいいことだ。(下記、参照記事)。


自民党と民主党は、官主導から政治主導へ、を大いに競い合えばいい。


民主党は、政府に国会議員100人を送り込むようだ。この100人が霞ヶ関に取り込まれない担保をどうするのか。


100人の国会議員を入れて霞が関を主導しようというシナリオだが、民主党では5回生以上の議員が30人前後しかおらず、閣僚、副大臣、政務官未経験の民主党議員が政府に入ることになる。たぶん、霞ヶ関はマン・ツー・マンで議員に担当官僚をはりつけ、官僚相互に情報交換して、綿密なシナリオに基づき、コントロールしようとするだろう。


官邸入りする政治家が巧妙な官邸官僚の「クチコミ」で、お互いに疑心暗鬼になって、バラバラにさせられることはよくあることだ。同じような分断工作が100人単位で起こると考えたほうがいいだろう。そして、「局単位の族議員化」現象を起こし、そのことをマスコミに批判させることだろう。


ポイントは、自民党国家戦略本部の構想にある100人単位の国家戦略スタッフの政治任用だ。政府入りする100人の国家議員を支える自前のスタッフがいなければ、政治主導は成功しないだろう。


100人の国会議員が団結するには、政権構想が重要だ。


しかし、民主党が、政権準備として、政権構想を具体的に詰めて行けば、いろいろな矛盾がでてくるだろう。その矛盾に民意が気付かないうちに、政権交代を、というのが「まずは政権を取る方が大事」との発言の本音なのだろう。しかし、その結果、官主導政治は決して変わらないということになるだろう。


その意味で、政府・与党は、道州制を軸にした「21世紀版ニューディール政策、ニューディール連合」の政権構想を早期に取りまとめ、民主党に政権構想を督促させることを迫るべきである。(1月11日記)



(参照記事)日経新聞「民主『政権準備』を加速」「政治主導の仕組み具体化」「各国政府とパイプづくり」「有権者の不安を解消」


「民主党内で、次期衆院選での政権奪取を前提とした準備を加速する動きが出始めた。菅直人代表代行らが小沢一郎代表が主張する『政治主導』内閣の具体像づくりに着手。外国政府との関係強化も急いでいる。円滑な政権移行に向けた体制を整え、有権者の不安を取り除く狙いだが、党内には『選挙準備が先決』との声もある。


民主党は2003年、05年の衆院選マニフェスト(政権公約)で政権構想を策定した。その後、小沢氏が国会議員100人以上を政府に送り込むなどの新構想を表明。次期衆院選での政権交代もあり得るとして、より具体的な政権移行計画をまとめるべきだとの意見が出ている。


菅氏らが政権移行計画の具体化に取り組むのはこうした状況を踏まえたものだ。『官僚任せでない内閣をどう具体的に考えているのか、(有権者に)伝えるべきだ』。菅氏は10日、日本経済新聞の取材にこう力説。党行政改革調査会(松本剛明会長)中心に作業を進める考えを示した。


政権移行を想定した菅氏の私案によると、首相の選出後、長ければ1週間ほどかけて、首相と閣僚候補者が協議。新内閣の政権運営の方向性を定めてから組閣する。今は即座に組閣するケースが多く、閣僚が準備不足で省庁に入るため官僚ペースにはまるとの認識からだ。各省庁では閣僚、副大臣、政務官が週1回程度の政務3役会議を開き、企画立案の政治主導を明確にするという。


外交体制の準備も政権移行の大きな課題になる。『今の外交・安全保障政策をマニフェストで打ち出すと、オバマ政権は硬化する』。昨年12月19日、米民主党系の国防関係者と鳩山由紀夫幹事長ら民主党幹部の会合で、ハーバード大教授のジョセフ・ナイ氏がこう言い放った。民主党政策には日米地位協定の抜本改定など日米同盟に懸念が広がりかねない政策が並ぶからだ。


鳩山氏は9日の記者会見で早期の訪米も含め、民主党への理解を得るための交流を急ぐ意向を示した。各国要人との接触も加速し始めた。鳩山氏は9日、党本部で中国の王光亜外務次官らと会談。夜には別の幹部がオバマ次期米政権の財政金融政策を担う予定の高官と意見交換した。『各国と民主党とのパイプづくりをどんどん進めている』(国際局幹部)という。


ただ、政権移行計画の具体化が進むにつれ、党内に不協和音が生じる可能性もある。党税制調査会は昨年末にまとめた『税制抜本改革アクションプログラム』で、与党税調を廃止して政府内の新政府税調が税制改正を議論する案を明記。総会では『政府に入れなかったら政策ができないのか』などの声が相次いだ。複数の幹部によると、小沢氏は政権移行計画づくりの必要性を認めているものの、『まずは政権を取る方が大事だ』とも漏らしている」