(野党雇用対策関連法案)「既にやっている、政令で出来る、財源がない」 | 中川秀直オフィシャルブログ「志士の目」by Ameba

(野党雇用対策関連法案)「既にやっている、政令で出来る、財源がない」


昨日、野党3党が提出した雇用対策関連法案が参院厚生労働委員会で「強行採決」された。


共産党の小池晃政策委員長は採決の際、与党委員とともに詰め寄り、「採決自体無効だ」としている。


賛成したはずの社民党の福島瑞穂党首も「強行採決はやりたくなかった」「民主主義を踏みにじる」、綿貫民輔国民新党代表も「強行採決は次元の低いやり方」と反発、民主党が呼びかけた3野党党首会談は流れ、幹事長会談に格下げとなった。


当初、民主党は、4法案の可決後、3党首会談を開き、その上で麻生総理との党首会談をとして、11月の党首会談の再現を狙ったのが、「強行採決」によって、足並みが乱れ、2つの党首会談が頓挫し、民意に「政争の具」にしたとの印象を強めたのである。


下記の東京新聞が指摘しているように、「3党の法案には、政府が実施中だったり、年明けの通常国会に提出する対策と重なる部分が多い」のであり、2時間半での審議時間で民主党が強行採決に踏み切ったのは、合意形成のためではなく、雇用問題で与党にダメージを与えるという政局的思惑のために過ぎない。


政府・与党の雇用対策でかなりの思い切ったことが行われようとしている。「既にやっている、政令で出来る、財源がない」野党4法案は否決されるべきものである。(12月19日記)


(参照記事)東京新聞「スコープ」「野党世論背に突進」「審議2時間半、与党<報復>を宣言」


「民主、社民、国民新の野党3党が18日、共同提出した雇用対策4法案を参院厚生労働委員会で採決に踏み切ったのは、雇用不安が広がる中、手荒な手法でも国民から支持されると確信しているからだ。19日に4法案を参院本会議で可決し、衆院に送付した後も、麻生政権に重ねて賛同を求めていく構えだ。対する政府・与党は反発を強めている。


18日の同委員会の採決では、民主党の岩本司委員長が詰め寄る与党議員の怒号の中、可決を宣言。これまで何度となく繰り返されてきた与党による強行採決とは、まったく逆転した光景だった。


3党が強行採決に踏み切った背景には、派遣切りや雇い止めが相次ぐ雇用情勢への危機感がある。採決に先立つ3党と連合主催の集会で、民主党の菅直人代表代行は『これは強行ではなく、迅速にやらなければならないことを急いでやる迅速採決だ』と言い切った。


さらに、3党の法案には、政府が実施中だったり、年明けの通常国会に提出する対策と重なる部分が多いこともある。与党側が衆院で賛同する姿勢をみせなければ、『年内の雇用対策が重要』と主張する麻生政権の無策ぶりをあぶり出せるというわけだ。民主党の小沢一郎代表は18日、鳩山由紀夫幹事長に対し『認識の違いだな。(首相は)現状が分かっていない。国民生活はどうでもいいということだ』と述べた。


一方、与党側は4法案の強行採決に対し『単なるパフォーマンスだ』と猛反発。雇用対策自体には正面切って反対しにくいため、野党の強引な委員会運営に矛先を向けている。与党が問題視しているのは、4法案がわずか2時間半の審議で採決されたことだ。


参院自民党の脇雅史国対副委員長は記者会見で『与党は審議もしないうちに強行採決をしたことはない。言語道断だ』と批判した。自民党の村田吉隆国対筆頭副委員長は『2時間半で採決できるという前例を参院が作った。次の通常国会で良き前例として活用させてもらう』と宣言。次期通常国会では、与党が多数を占める参院で野党に対し、『報復』する可能性をちらつかせた」