(総理指示「黙殺」)一番深刻な鉄砲玉は何か | 中川秀直オフィシャルブログ「志士の目」by Ameba

(総理指示「黙殺」)一番深刻な鉄砲玉は何か

昨日、古賀誠選対委員長は、「後ろから鉄砲玉を撃つことは、絶対にあってはならない」と発言されたと聞く。


全く、同感である。いまは「倒閣」のときではない。


一番深刻な「鉄砲玉」は何か。


総理・総裁の指示のラインにある人が総理指示を「黙殺」することこそ、最大級の「後ろからの鉄砲玉」ではないだろうか。


内閣総理大臣の指示を黙殺することは、国家の権威をボディーブローのように傷ついていくことが懸念される。

政策の議論は党内民主主義だ。しかし、指示の黙殺は「サボタージュ」である可能性がある。


もちろん、総理指示を出す前の根回しが極めて重要である。


その周到な根回しの集積が総理指示である。


「思いつき」は総理指示ではない。周到な根回しこそ、総理の幕僚たちの使命である。これがないと、「黙殺」せざるをえなくなることもある。


昨日、麻生総理は、党総裁室で、党税制調査会の津島雄二会長、柳沢伯夫小委員長に「たばこ税はどうなるのか」と切り出したと伝えられる。


先の総裁選で麻生支持だったみなさんは、何故、総理に助け舟を出さないのか。また、何故、総理の幕僚は事前の根回しをしないのか。


柳沢小委員長は「中川財務・金融担当相からは『増税したい』と一度も聞いてませんよ」と、拒否理由の1つに上げられているという。


一体、麻生総理を支えるべき立場のみなさんの間で何が起きているのか。


私が昨日立ち上げた「生活安心保障勉強会」は、「国民が安心する社会保障制度の構築に向けて議論し、総理に政策提言する」ものである。この純粋な政策勉強会に「反麻生」の風評を立てる陽動作戦の背後で、閣内・執行部で、一体、何が起きているのか。


昨日、麻生総理は、与謝野経財相に消費税引き上げ時期の税財政改革に明記するよう指示したと伝えられる。与謝野経財相に指示したということは、マクロ経済について税率引き上げができる環境を整えよ、の意であると、私は解釈する。与謝野経財相が総理指示にどう応えるのか、どのようなマクロ経済ビジョンを提示されるのか、大いに注目したい。(12月12日記)


(参照記事)東京新聞「目を覆う首相威信低下」「『たばこ増税』を与党黙殺」「『別財源』にも冷ややか」

「麻生首相が2009年度予算案の社会保障費抑制額2200億円を圧縮するため、たばこ税の増税を暗に促したにもかかわらず、自民、公明両党は11日、これを見送った。困った首相は自民党の保利政調会長を急きょ官邸に呼び、別の財源を確保するよう指示したが、党内の視線は冷ややか。首相の威信低下は目を覆うばかりだ。

首相は10日、自民党税制調査会幹部と会った際、たばこ税には直接言及しなかったものの、『2200億円(圧縮の財源)で頭を悩ませている』と暗に増税を促した。しかし、過去には、首相も口出しできない“聖域”として影響力を誇示してきた自民党税調は『首相は指示していないし、これからもしない。たばこ税は社会保障の特定財源ではない』(幹部)と黙殺した。

税調の意向を受けた自民、公明両党の政調会長は11日、たばこ税増税を09年度税制改正大綱に盛り込まない方針を決定した。ただ、『2200億円削減は限界にきている』(河村建夫官房長官)ことには変わりはなく、政府は何としてでも抑制額を圧縮する財源を確保する構え。政府高官は『いざとなれば、いい知恵が出てくる』と自信をみせる。

とはいえ、求心力が低下した首相に尻をたたかれても、自民党が積極的に動く気配はない。党政調幹部は『<答えが見つかりませんでした>というのも答えのうちかもしれない』と突き放す。首相の意向が繰り返し無視される事態になれば、権威はさらに失墜。自民党内の『麻生離れ』が一層加速するのは避けられず、首相はいよいよ追い詰められることになる」