(世論調査)「逆コース」か、「新しい地平か」 | 中川秀直オフィシャルブログ「志士の目」by Ameba

(世論調査)「逆コース」か、「新しい地平か」

下記の世論調査結果から次の2点が読み解ける。(下記記事参照)


第1は内閣支持率についてである。


5社の世論調査のうち、共同が25・5%、他の4社は、朝日22%、読売20・9%、毎日21%、「新報道2001」22・6%で、22%前後となった。内閣支持率は、政権運営の「危険水域」といわれる領域に突入してしまった感が強い。ここが正念場である。


支持率下落の理由は、読売調査にある「麻生内閣は、今の経済情勢に、的確に対応していない」82・5%にある。具体的には、同調査の「定額給付金の支給について」評価しない72・0%、「第2次補正予算案の通常国会提出について」妥当ではない66・5%である。


新報道2001の「政府の財政再建路線の転換を評価しますか」で、評価しないが50・0%を占めている。また、定額給付金について、評価しないが72・0%もあるのも、異例である。総理発表後の所得制限をめぐる「迷走」が原因であろう。


経済閣僚と経済財政諮問会議には、この世論調査を重く受けていただきたい。


内閣発足から2カ月半で、内閣支持率22%前後に急落したということは、民意が、100年に一度の金融危機に乗じて、小泉改革以前の旧自民党に戻ろうとしていると受け止め、その「逆コース」に戻ることなく、再度05年の民意に立ち帰れとの「叱咤」と「催促」と受け止めるべきなのである。


第2は、次の衆院選後に、どのような政権ができるのが望ましと思うかについてである。


読売調査の「自民党中心の政権12・2%、民主党中心の政権20・8%、自民党と民主党による大連立政権25・4%、政界再編による新しい枠組みの政権32・9%」と新報道2001の「自民党中心の政権15・6%、民主党中心の政権24・2%、自民・民主両党による大連立政権41・8%、自民・民主以外の新たな第3勢力による政権12・6%」から、次のことが読み解ける。


民意は政権交代ではなく、政界再編による大連立を含む新しい政権の枠組みを求めている。


政権交代は、読売で20・8%、新報道2001で24・2%にとどまっているのである。内閣支持率が22%前後に急落したのだから、政権交代が50%を超えて当然なのに、そうなっていないのは、民意から政権交代期待が失せているからである。


首都圏限定の新報道2001の、次の衆院選の投票先で、自民党が先週に比べて3・8ポイント増の22・8%に、民主党が3・0ポイント減の27・6と、差が縮減しているのである。未定が2・8ポイント減の39・2%もあり、無党派層が動いていないのである。この無党派層が、政権交代ではなく、政界再編による大連立を含む新しい政権の枠組みを望んでいるから、動いていないのである。


このような中で、内閣不信任案を出しても、不発に終るだろう。


自民党の「逆コース」の先には断崖絶壁が待っている。新しい地平に向かい、前進する以外に自民党の選択肢はない。後ろを振り向かず、前進しよう。


「逆コース」か、「新しい地平」か。その選択に、政権の命運と、次期衆院選の帰趨を決することになる。まさに、自民党結党以来の最大の正念場である。(12月8日記)


(参照記事:各種世論調査)


朝日(6,7日)、読売(5-7日)、毎日(6,7日)、共同(6,7日)、新報道2001(4日)の世論調査


「朝日の内閣支持率は、前回(11月8,9日)に比べて15ポイント減の22%、不支持率は23ポイント増の64%、わからないは8ポイント減の14%。


不支持の理由は、政策の面63%。


支持層の内訳で、自民支持層が18ポイント減の54%、無党派層が15ポイント減の11%。


麻生首相の実行力については、9月発足当初と比べて、あるが33ポイント減の21%、そうは思わないが40ポイント増の68%。


第2次補正予算案の先送りについては、納得できる23%、納得できない60%。


来年度予算編成の基本方針で、財政再建路線を転換し景気対策を優先したことについては、評価する48%、評価しない35%。


麻生首相の仕事ぶりの評価については、期待はずれだ44%、もともと期待していない40%、期待通りだ12%、期待以上だ1%。


首相にふさわしいのは、麻生氏が19ポイント減の30%、小沢氏が12ポイント増の35%、わからないが7ポイント増の35%。


衆院の解散・総選挙の時期については、早く実施すべきだ51%、急ぐ必要はない40%。


いま衆院比例区で投票するとしたらは、自民が2ポイント減の28%、民主が3ポイント増の36%。


支持層別の内訳で、無党派層で民主党に投票が8ポイント増の31%。


政党支持率は、自民が3ポイント減の27%、民主が1ポイント減の23%」(*回答の詳細は9日付)。


「読売の内閣支持率は、前回(11月1-3日)に比べて19・6ポイント減の20・9%、不支持率は24・8ポイント贈の66・7%、わからないは5・2ポイント減の12・4%。


支持する理由は、自民党と公明党の連立政権だから35・2%、政策に期待できる23・5%、首相に指導力がある11・7%、閣僚の顔ぶれが良い10・3%、首相に安定感がある9・7%。


支持しない理由は、政策に期待できない31・5%、首相に指導力がない29・2%、首相に安定感がない25・0%、自民党と公明党の連立政権だから10・3%、閣僚の顔ブレが良くない1・4%。


政党支持率は自民党が5・2ポイント減の27・2%、民主党が4・8ポイント増の28・2%、公明党3・3%、共産党3・4%、社民党1・4%、改革クラブ0・0%、新党日本0・0%、その他の政党0・0%、支持政党なし33・6%、わからない2・9%。


麻生首相と小沢代表とを比べた場合、どちらが首相にふさわしいと思いますかは、麻生首相28・8%、小沢代表36・4%、わからない34・7%。


麻生内閣は、今の経済情勢に、的確に対応していると思いますかは、的確に対応している9・6%、的確に対応していない82・5%、わからない8・0%。


政府・与党は第2次補正予算案を年明けの通常国会に提出する方針ですが、妥当だと思いますかは、妥当だ19・6%、妥当ではない66・5%、わからない13・9%。


2兆円の定額給付金について評価しますかは、評価する23・4%、評価しない72・0%、わからない4・5%。


今国会での民主党の対応を評価しますかは、評価する28・2%、評価しない59・2%、わからない12・6%。


麻生首相の最近の問題発言や失言は、政権運営に影響があると思いますかは、影響がある77・0%、影響はない19・6%、わからない3・4%。


衆議院の解散・総選挙は、いつ行うのがよいと思いますかは、今すぐに21・7%、年明けの早い時期に36・0%、来年春ごろに22・4%、来年9月の任期満了までに14・3%、わからない5・6%。


仮に今、衆院選が行われるとしたら、比例代表選では、どの政党に投票しようと思いますかは、自民党24・2%、民主党40・2%、公明党3・5%、共産党4・3%、社民党1・1%、国民新党0・3%、新党日本0・1%、その他の政党0・1%、未定20・5%、わからない5・6%。


次の衆院選のあとに、どのような政権ができるのが望ましいと思いますかは、自民党中心の政権12・2%、民主党中心の政権20・8%、自民党と民主党による大連立政権25・4%、政界再編による新しい枠組みの政権32・9%、わからない8・6%」。


「毎日の内閣支持率は前回(10月18,19日)に比べて15ポイント減の21%、不支持率は17ポイント増の58%、わからないは2ポイント減の21%。


支持しない理由は、首相の政策に期待できないからが5ポイント減の37%、首相の指導力に期待できないからが14ポイント増の27%、首相に軽率なイメージがあるからが4ポイント増の20%、自民党の首相だからが20ポイント減の6%。


政党支持率は、自民党が1ポイント減の23%、民主党が3ポイント減の24%、公明党が同じの5%、共産党が同じの3%、社民党が1ポイント減の1%、国民新党が1ポイント増の1%、改革クラブが同じの0%、新党日本が同じの0%、その他の政党が1ポイント減の1%、支持政党なしが1ポイント増の37%。


麻生首相と民主党の小沢代表のどちらが首相にふさわしいと思いますかは、麻生首相が21ポイント減の19%、小沢代表が3ポイント増の21%、どちらも首相にふさわしくないが14ポイント増54%。


次の衆院選で、自民党と民主党のどちらに勝ってほしいですかは、自民党が7ポイント減の29%、民主党が2ポイント減の46%、その他の政党が4ポイント増の16%。


いま衆院選が実施されたら、比例代表でどの政党に投票しますかは、自民党が3ポイント減の22%、民主党が2ポイント減の36%、公明党が1ポイント減の5%、共産党が同じの4%、社民党が同じの2%、国民新党が1ポイント増の1%、改革クラブが同じの0%、新党日本が同じの0%、その他の政党が1ポイント増の2%、わからないが1ポイント減の22%。


第2次補正予算案を来年の通常国会に提出することにしましたが、この方針を支持しますかは、支持する24%、支持しない61%。


定額給付金を評価しますかは、評価する21%、評価しない70%。


衆院をいつ解散すべきだと思いますかは、直ちに28%、来年1月の通常国会冒頭17%、来年予算成立後の春25%、来年夏ごろ2%、任期満了15%。


麻生首相の言動については、首相の資質を疑う48%、目くじらをたてるほどのことではない42%。


「共同の内閣支持率は、前回(11月8,9日)に比べて15・4ポイント減の25・5%、不支持率は19・1ポイント増の61・3%、わからないは3・7ポイント減の13・2%。


支持しない理由は、経済政策に期待が持てないが0・4ポイント増の28・3%、首相が信頼できないが9・8ポイント増の19・8%、首相に指導力がないが12・2ポイント増の18・7%、首相の人柄が好きになれないが1・0ポイント増の11・1%。


第2次補正案を来年初めの通常国会に提出することについて、妥当だと思いますかは、妥当だ26・0%、妥当ではない55・7%、わからない18・3%。


財政再建路線の見直しについて賛成ですかは、賛成56・9%、反対28・3%、わからない14・8%。


郵政民営化計画を見直すことについて賛成ですかは、賛成52・3%、反対32・5%、わからない15・2%。


衆院解散の時期については、年末が2・9ポイント増の24・1%、来年1月の通常国会冒頭が5・8ポイント増の23・7%、来年度予算が成立した4月ごろが1・1ポイント増の19・7%、通常国会が終わる来年6月ごろが1・1ポイント減の6・3%、来年9月の任期満了が8・1ポイント減の16・2%、わからないが0・6ポイント減の10・0%。


自民党が中心となる政権が続くのがよいと思いますか、それとも民主党が中心とする政権に代わるのがよいと思いますかは、自民党中心の政権が3・0ポイント減の33・1%、民主党中心の政権が2・2ポイント増の45・4%、わからないが0・8ポイント増の21・5%。


次の衆院選の比例代表ではどの政党に投票するつもりですかは、自民党が6・2ポイント減の27・4%、民主党が2・8ポイント増の38・3%、公明党が0・1ポイント増の3・9%、共産党が0・8ポイント増の4・9%、社民党が0・3ポイント増の2・1%、国民新党が0・4ポイント増の0・6%、改革クラブが0・1ポイント増の0・1%、新党日本が0・2ポイント減の0・0%、その他の政党が同じの0・0%、わからないが1・9ポイント増の22・7%。


麻生首相と小沢代表を比べると、どちらが首相にふさわしいと思いますかは、麻生首相が17・5ポイント減の33・5%、小沢代表が10・1ポイント増の34・5%、わからないが7・4ポイント増の32・0%。


政党支持率は、自民党が4・9ポイント減の28・9%、民主党が2・2ポイント増の28・7%、公明党が0・2ポイント減の3・3%、共産党が2・4ポイント増の4・9%、社民党が1・1ポイント減の1・9%、国民新党が0・2ポイント減の0・3%、改革クラブが0・1ポイント増の0・1%、新党日本が0・1ポイント減の0・0%、その他の政党が0・1ポイント減の0・0%、支持政党なしが2・3ポイント増の30・4%、わからないが0・4ポイント減の1・5%」。


「新報道2001の内閣支持率は前回(11月27日)に比べて、7・8ポイント減の22・6%、不支持率は7・6ポイント増の69・2%、わからないは0・2ポイント増の8・2%。


次に行われる衆院選ではどの党の候補者に投票したいですかは、自民党が3・8ポイント増の22・8%、民主党が3・0ポイント減の27・6%、公明党が0・8ポイント増の4・6%、共産党が0・4ポイント減の2・2%、社民党が0・2ポイント増の0・4%、国民新党が同じの0・0%、新党日本が同じの0・0%、無所属・その他が1・0ポイント増の2・0%、棄権が0・8ポイント増の1・2%、未定が3・2ポイント減の39・2%。


首相にふさわしいのはどちらだと思いますかは、麻生首相31・2%、小沢代表35・6%、わからない33・2%。


次の衆院選後にどういう政権を期待しますかは、自民党中心の政権が前回(11月20日)に比べて5・8ポイント減の15・6%、民主党中心の政権が8・0ポイント減の24・2%、自民・民主両党による大連立政権が3・0ポイント増の41・6%、自民・民主以外の新たな第3勢力による政権が12・6ポイント増の12・6%、わからないが1・8ポイント減の5・8%。


3年間で10兆円規模の雇用対策や社会保障費抑制の見直しを検討するなどの、政府の財政再建路線の転換を評価しますかは、YES37・2%、NO50・0%、わからない12・8%」。