久々に風邪を引いてしまった。
不思議なもので、超忙しいときというのは何とか持ちこたえられるのだが、どういうわけか、一段落ついたときに風邪を引きやすい。
今回もかなりイヤイヤだった33人分の試験の採点が終わってほっとし、隣の席の同僚がひどい風邪をひいていたのに、感染しないとは「なんてラッキー」と思っていた。
昨日はともかく38度の熱で一日中寝ていたが、今日は熱も下がったのでいろいろ家事をした。

夜9時からは毎年楽しみにしているイギリスのアカデミー賞にあたるBAFTAを見る予定。
今年のノミネートの中では、Tinker Tylor Soldier Spyがイギリス映画としては有力なのかもしれないが、出来はいまいち。
冷戦時のイギリス情報局に潜む二重スパイ(MOLE/モグラ)についての話で、007のモデルとも言われる大物スパイ、キム・フィルビー(物語の中では別名)を軸に物語は展開する。
配役は悪くなかったし、演技もよかったので、そもそも2時間の尺の映画化に問題があったのかもしれない。

Tinker Tailor Soldier Spyは何十年も前にBBC製作のテレビドラマ化されている。
主役のジョージ・スマイリーは怪優アレック・ギネス。
まだ見ていないが、イギリスを去るときがきたら、DVDを買おうと思っている。

大分前になるが、同じくBBC製作のテレビシリーズCambridge Spyも非常に面白かった。
冷戦時のスパイ戦を映像で描写するには映画では短すぎる。

グレアム・グリーンの小説『ヒューマン・ファクター』も、ソ連に亡命した後、愛する家族とも別れ、極寒の地で暮らすキム・フィルビーの心境が描かれていて面白い。
イデオロギーを追及した結果、幸せが伴うとは限らないという遣り切れなさが現実的。