土曜日なのに、午前中から大英図書館(British Library)で某大学の秋学期試験の採点をしている。
生徒たちは大学一年生だからまだ二十歳前後。
イギリスの大学での試験は小論文を書かせることが多いのだが、採点する方も大変だ。
いちいち全部読まなければならない。
しかも、日本人と違って、イギリス人の生徒の字はかなり読みにくい。
彼らはどうやって試験答案を書くべきか熟知しているので、走書きなのである。

というのは、日本で言えば共通一次試験にあたる、Aレベル、あるいは中等教育卒業レベル
を測るGCSEにおいても回答は論文形式、とか。
理系科目であっても、論文形式のことがあるそうだ。
現地校で学ぶ日本人の子曰く「理系科目なのに、文系みたいに文章で書かされるんです」
英語という論理的な言語だからこそできる技なのかもしれない。

一問につきA4で4ページほど書いてあるのだが、読みたくないので自宅ではすぐ逃避に走ってしまい
ゲームを始めたり、にこにこ生放送を見てしまう。
こんなことではいけない、と気が付いたので、今回の採点は大英図書館という「勉強一筋」環境なら、大丈夫だろう、と踏んだのだが・・・ブログを書き始めるという暴挙に出てしまった。こんなはずでは・・・

かつての大英図書館では看守のような怖ーい女性の係員がリーディングルームを闊歩して、筆箱の中まで点検し、「鉛筆以外の持ち込みは禁止です」と閲覧者を叱っていたのだが、今では少しその締め付けも緩くなり、入口での持ち物チェックのみ。
飲み物や食べ物を持ち込めない以外は、Wifiの普及もあり、机は緑色の革張り、間接照明、座りやすい椅子、コンピューターのコンセントも完備と至極快適な勉強環境となっている。
周り中の机に座っているひとたちも黙々と研究または執筆に励んでいるので、ここでゲームをする勇気はでない。

しかし、音がなくて静かだとこうも眠くなるとは・・・前の晩いくらたくさん寝ても昼ごはん後は眠くて仕事にならないのは怠け者だからかもしれない。いや、きっと試験の採点という地道な仕事が向いてないからに違いない。
こういう仕事は早く終わらせて本来の自分の投稿論文の訂正に戻らなければ!