過去に何頭も名馬と呼ばれた馬はいました。
日本ではシンザン、セントライト、トキノミノル、カブトヤマ、クモハタなどは記念レースとして名前が残っていますし(カブトヤマ記念とクモハタ記念はなくなりましたけど)、海外では、ラプズオンリーユーが選出されたエクリプス賞は名馬エクリプスの名前から取っています。
ミルリーフ、マンノウォー、セクレタリアトなども記念レースがあって名馬として語り継がれていますよね。
あとは競馬の殿堂入りしている馬なんかも、やはり名馬ですね。
JRAの顕彰馬とか競馬博物館に展示されている馬がそうですし、各国にも殿堂、博物館などがあります。
ざっと調べただけで、アメリカ、カナダ、イギリス、オーストラリア、ニュージーランド、韓国などに競走馬の殿堂、博物館がありました。
これらの選考基準がある意味名馬の基準となるわけですが、著しい活躍をみせた馬とか、報道関係者の投票によって選出とか、曖昧と言えば曖昧。
凄い記録を作った馬、記録よりも記憶に残る、劇的な勝ち方や悲運な生涯だった馬など、人それぞれに名馬と思える条件ってあるんだと思います。
ネットでちょっと調べただけでも、"日本の名馬100選"、"後世に語り継ぎたい名馬"、"愛され続ける伝説の名馬ランキング"とか、色々なランキングが出ています。
「優駿」の企画で行われた"未来に語り継ぎたい馬Best100"も読者からの投票形式でしたので、やはり人気のあるなしが重要なんですかね。強い馬と言うよりも、魅力的な馬と言う事なんでしょう。
でも、個人的にはやっぱり「負けない」って大事なんじゃないかなあと思います。
勝てなくて人気の出たハルウララやステイゴールド、ナイスネイチャ、ロイスアンドロイスなどもいますけど(で、確かにこの子達好きですけど)、やっぱり生涯負けなかった馬って凄いと思います。
前述した日本の名馬と言われる馬の中で無敗だったのはトキノミノル。10戦10勝でした。
トキノミノル
シンザンだって4回負けてますし、ディープインパクトやイクイノックスだって2回負けています。これだけの馬でも無敗で終われなかったのです。
やはり「負けない」って凄い事なのだと思います。
で、生涯無敗の馬について調べてみました。
日本ではアラブや地方競馬で負けなしだった馬(ツルマルサンデーとか)もいますが、JRAだけで見ると、トキノミノルを凌ぐのはクリフジの11戦11勝。
時代が時代だった(戦前の馬です)のもありますが、牝馬ながらにダービーも菊花賞も勝っています。
クリフジ
後に続くのはマルゼンスキーが8戦8勝。
当時は外国産馬、持込馬(母親が受胎中に輸入された馬)はダービーに出られず、大外枠で良いから走らせてくれと中野渡騎手が泣いたと言うエピソードもあるぐらい強い馬でした。
残念ダービーと言われたラジオ短波賞で、のちの菊花賞馬プレストウコウを8馬身ちぎっています。
マルゼンスキー
次がキタノダイオーで7戦7勝。
この馬は脚部不安があってダートしか走らせなかったそうですが、足元が無事だったら同期で3強と言われたタケシバオー、アサカオー、マーチスよりも能力は上だと言われていました。
キタノダイオー
最近の馬では、アグネスタキオン、フジキセキの4戦4勝ぐらいが目立つところでしょうか。
どちらも脚部不安で早々に引退してしまい、幻のダービー馬などと呼ばれていますが、引退後に種牡馬として大成功しているのを見ても、やはり非凡な能力を持っていたと言う証拠でしょう。
海外に目を向けると、まあ凄いのがいますw
19世紀にいたキンチェムと言う馬は54戦54勝だったそうですが、果たしてどこまで正式な記録なのか、競馬そのものが現代とは違うので比較にはならないと思います。だいたい54戦も走らせるなんて今や考えられません…。
そう言う意味では、オーストラリアのブラックキャビアの25戦25勝と言うのが最高記録でしょうか。2006年生まれですから、ホントに最近の馬ですね。G115勝もしてます。
ただ、あくまでオーストラリア国内だけの成績なのがちょっと残念なところ。アメリカや欧州のG1に挑戦して欲しかったですね。
ブラックキャビア
その点からしたら、ちょっと古いですが、やはり凄いのはリボーの16戦16勝。凱旋門賞も連覇しています。
種牡馬としてもリボー系と呼ばれる血脈が出来るなど大成功し、引退後も世界の競馬に影響を与えました。
ただ気性の激しさ、凱旋門賞を勝っているようにパワー型である事から、日本ではあまり種牡馬としては成功せず、最近ではほとんど血を継ぐ馬を見かけなくなっています。
タップダンスシチーが最後ぐらいですかね。
リボー
最近の馬ではフランケルが14戦14勝。
イギリスの2000ギニー(日本だと皐月賞みたいなレース)を勝っていますし、G1を10勝していて全てマイルから2000mで勝っています。
日本のスピード競馬にも対応できるだろうと言う事で種牡馬として導入され、ソウルスターリング(オークス馬)やモズアスコット(安田記念とフェブラリーSを勝った二刀流)などを出しています。
フランケル
こうしてみると、無敗の馬ってその後種牡馬としても活躍することが多いです。
良い繁殖牝馬と掛け合わせる事もありますが、やはり持っているポテンシャルが子供に上手く伝わると活躍馬が出てくるんですね。
現役でも種牡馬でも活躍するのが名馬の証って事でしょうか。
逆に現役時代はパッとしなかったのに種牡馬で成功している馬もいますが…ノーザンテーストとかねw
と、ここまで書いておいてなんですが、私にとっての名馬はトウショウボーイとシンボリルドルフですかねえ。
どっちも何回も負けていますw
トウショウボーイは、引退間際の天皇賞で力の衰えに加えて距離適正がなかったために7着になっていますが、それ以外は2着3回、3着1回。3着は菊花賞で長距離適正の差、2着はダービー、札幌記念でノーマークの馬に出し抜かれて負け、あと1回は絶頂期のテンポイントに負けた有馬記念。
確実にスピード血統なのに2500mの有馬記念まで勝っているのは、能力の高さ以外の何ものでもありません。2000mを走らせたら今でも一番強いんじゃないかと思っています。
トウショウボーイ
シンボリルドルフもカツラギエース、ギャロップダイナの一世一代の走りに泣きましたが、それがなかったら絶対に無敗のままだったんじゃないかといまだに思います。
最後のアメリカでのレースは足を痛めて6着でしたが、これはノーカウント。
ギャロップダイナに負けた時などは、ルドルフがコイツに負けるのかと凍り付きましたからね、マジに。
テレビの前で動けませんでしたからww
シンボリルドルフ
この先も、どれだけ強い馬が出てきて、名馬の歴史に刻まれていくのか楽しみです。
競馬ってそうやって歴史が引き継がれていくのが素晴らしいところだと思います。
皆さんにとっての名馬ってどんな馬なんでしょう?
是非コメントお寄せください。
長くなっても良いですよw