先日、ロンジンワールドベストレースホースランキングが発表されて、予想通りイクイノックスがレーティング135ポイントで1位となりました。

引退前の数レースを見ても、この馬の能力の高さには驚かされていましたし、当然と言えば当然の結果だったなと思います。



日本馬で1位になったのはジャスタウェイ以来2頭目、日本馬のレーティングとしてもエルコンドルパサーの134ポイントを超えて歴代トップの評価となりました。


このレーティングって、レース展開や条件によって変わる部分もあり、評価側の主観も入ることもあって、昔流行ったスピード指数みたいにどうも懐疑的に見てしまっていた部分もあるのですが、ドバイシーマクラシック以降のイクイノックスのレース振りは誰も文句のつけようがない内容でしたので、正当な評価だと思います。


このニュースを聞いた時、思い出したのがラブズオンリーユー。

日本馬として初めてブリーダーズカップを勝ち、エクリプス賞を受賞した名牝です。

こっちの方が個人的には名誉なんじゃないかと思ったりします。



するとタイミング良く、土曜日の夜中にCXで「ラプズオンリーユー 栄光の軌跡」と言うドキュメンタリーが放送されました。

夜中の2時ごろからだったのでご覧になられた方は少ないかと思いますが、無敗で優勝したオークス以降の低迷から復活して世界制覇するまでのエピソードだったのですが、矢作調教師を始めとする関係者の努力と情熱、そして何よりも強い気持ちを持ったラプズオンリーユーに感動して、夜中に一人ウルウルしてしまいました。


実際私は、オークス後にずっと勝てなかった時期に、もうこの馬は終わりだなと思ったのは確かです。

ですので、京都記念でオークス以来の勝利を挙げた時も川田将雅ジョッキーの腕で勝てた、半ばフロックの勝利だと思っていました。


しかし、そこからドバイシーマCに参戦して3着と善戦したと思ったら、クイーンエリザベス2世Sを勝って海外G1タイトルを獲得。

前哨戦の札幌記念では本仕上げではなかった事と、コース、距離の適性の差からソダシの2着に惜敗しましたが、その後渡米して見事にブリーダーズカップフィリー&メアターフを日本馬初制覇。

返す刀で香港で香港カップも勝って海外G1を2連勝しました。

どのレースも馬と馬との狭い間をこじ開けて差してくると言う素晴らしい勝負根性を見せてくれて、本当に精神的に強い馬なんだなと思いました。


今回の放送で知りましたが、渡米した際に帯同したマルシュロレーヌの存在が非常に大きかったそう。

日本にいる時からずっと一緒に調教し、輸送も一緒。仲良しのマルシュがそばにいてくれたお陰で、ラプズオンリーユーも精神的に安定していたし、現地で合流したポニーのロコとも仲良く、ゲートまで付き添ってくれたお陰で落ち着いてレースに臨むことが出来たと、矢作さんも語っていました。

スタッフもドバイからずっと同じメンバーで臨み続けた事も、チームとしての一体感が生まれて、この結果をもたらしたくれたのだとも。



素晴らしいです。

馬の気持ちと人の気持ちが1つになった事でこのような快挙に繋がっているんですね。

競馬も乗馬もやっぱりチームスポーツなんだなあと実感しました。