"冬に京都に行くことになり、中坊進二が立ち寄った先が南禅寺です。体の芯から温まろうと湯豆腐を食べようと思ったからです。湯豆腐と言えば南禅寺で、湯豆腐発祥の地と言う説もあります。周辺に湯豆腐店が軒を数多く軒を並べています。禅寺で修行する修行僧のための料理として造られたとされています。当時は焼き豆腐が使われ、おでんのような料理だと伝えられています。
中坊進二は地下鉄東西線で寺を目指しました。まずは観光です。京都の地下鉄東西線の蹴上駅で下車し、ネジリンボウと呼ばれる隧道を通れば10分ほどで寺に着きます。境内に入ると塔頭にある天授庵に行きました。庭の眺めが美しいことで有名な庵です。境内中央の三門は、石川五右衛門が、絶景かなと歌舞伎の名台詞を残した大きな門です。天下竜門とも呼ばれ、日本三大門の1つです。上楼内には本尊の宝冠釈迦座像を始めとし、多くの像が設置されています。門の上からは美しい景色を眺めることができます。思わず、中坊進二も絶景かなと心の中で叫んでしまいました。
三門を過ぎると、法堂・本坊・方丈の本堂です。方丈前の方丈庭園は、江戸初期の枯山水庭園です。虎の子渡しの庭と呼ばれ、国指定の名勝となっています。石を字のごとく心を表現したとされる小方丈庭園や苔の中に配置された庭石が美しい六道輪廻戒めの庭とされる六道庭 など南禅寺の庭園は美しく心が安らぎます。
周辺には湯豆腐の目移りするほどに名店が多く営業しています。400年近くの歴史を持つ有名老舗店、座敷から見る和風庭園の眺めが美しい店、国指定文化財になっている江戸時代の蘭学医学問所を使った湯豆腐店、昔ながらの手作り豆腐を味わうことのできる老舗店などがあります。中坊進二は京都らしく眺めも楽しめる店を選びました。どの店も混み合い列ができるほどに人気があるので、食事時より1時間程度早い時間に行くことをお奨めします。京懐石風に仕立てた湯豆腐や湯葉料理は趣があり、味も格別でした。非現実的な日本古来の風情を存分に堪能することができます。"