昨年の習志野市議会でもっともホットな話題は、標記の小中学校・幼稚園の普通教室へのエアコン設置の問題であったと思われます。

この問題について経緯をまとめ、私自身の考えも交えて問題を指摘したいと思います。


<なぜ、昨年6月時点はエアコン設置に後ろ向きであったか?>
昨年の6月議会に「小中学校の普通教室すべてにエアコンの設置を求める請願」が提出されたことから、エアコン問題は起こりました。

ご承知のとおり昨今の異常とも思える気温の上昇、昨年の夏は特に早い時期から猛暑日が続きましたが、近隣市のうち船橋市、市川市、浦安市ではすでに小学校の普通教室にエアコンが設置され、隣の八千代市では2018年度にエアコン設置の調査を行うことになっていました。

このような状況のなかで、習志野市においても議会で与野党問わずたびたびエアコン設置に関する質問が行われました。市長は現在学校施設の整備としてトイレの改築等を優先しているので、優先順位が低い等、財政面を持ち出し後ろ向きな回答をしていました。これに与党議員が同調し(毎度のことですが)この請願に反対しました。

いくら当局が財政を盾にとって時期尚早と設置を拒んだからといっていって、与党が同調するのはおかしいはずです。この問題は与党野党関係なく、子どもたちの学習環境の整備の問題として考えるべきです。わが会派「環境みらい」はこの請願に当然賛成し、一刻も早いエアコン設置を求めました。

<急転直下9月議会でエアコン設置が決まった理由は?>
6月議会においては、市当局は予算上、学校整備なかでの優先順位を低くしていることから当面は設置をしないという後ろ向きの回答をしていましたが、9月議会冒頭で早急に設置をするとしたのは不可解なことです。

そこで、いつ方向転換し、その理由は何なのか問い質しました。それに対し市当局は、

 

8月23日に市長と副市長、教育長で協議を行ったと記憶している。今年4月に文科省から「学校環境衛生基準」の変更(従来教室の温度を30℃を28℃に変更)の通知があり、また優先的に取り組んでいるトイレの改修の目途がたったことなどからである。さらに、国の方(菅官房長官のプレス発表)でもエアコン設置の予算を付けるとの話が出るとのことで設置を行うことにした。

 

と理由について回答しました。
しかし、エアコン設置の推進へと転換した本当の理由は、子どもを持つ父兄や一般市民からの要望、抗議の問い合わせが多数寄せられたからです。これにはさすがの市長も方向転換せざるを得なかった。これに伴い市長を支える与党議員も同調し急転直下、エアコン設置へ賛成に回ったわけです。しかも、翌年、つまり今年6月に全校で設置するとの発表も行いました。とりあえずは設置が決まり安心したわけですが、しかし!

<このような政策、行政運営で大丈夫なのか?>
この9月議会で、「小中学校の普通教室におけるエアコンの設置を求める」請願、陳情や意見書が市民からも多数提出され大きな話題を集めました。

私もこのエアコンの件については一般質問で追及しました。私が調べていくうちに、市長が「市民の声に対して、いちいちそれに対応していたら、いくら金があっても足らない」との認識でいることを知り、一般質問でそのことについて問い質しました。これに対し、市長が「私がそんなことを言うはずはない」と興奮気味に発言し、紛糾する場面がありました。JR津田沼南口再開発事業(約45億円)、市庁舎建設(約90億円)、大久保地区公共施設再生事業(約72億円)等への資金投与は問題なく進行するのに、夏の猛暑が続く状況のなか、子どもの教育環境にはあまりにも冷淡な対応で、エアコン設置費約22億円が出せないとの認識であったことが、昨年6月議会での対応の背景にあったと思われます。

 

結局は来年度6月中の設置を目指して、予算措置をすることとなりました。しかし、設置に関してリース方式での財政措置となり、この方式では国から補助金が出ません。6月議会で財政処置が難しいと言い、一転して9月議会で国が補助金を出すからと言っていたのは、いったい何なのでしょうか。このリース方式でやるなら、国の補助金をあてにしなくても、最初からやろうと思えば自前でできることではありませんか。それを出し渋るような姿勢でいること自体、どこを向いて行政運営をやっているのか疑問と言わざるを得ないと思います。

いつもキャッチフレーズのように言っている「やさしさで……」がいかに上辺だけの言葉であることか! このような時こそ本当にやさしさを表す政策をしめすべきです。にもかかわらず、このような政策、行政決定ができません。何もこのエアコン設置問題だけでなく、市民の声を聞こうとしない重要な政策が多々見られます

本当にこのような行政運営で大丈夫なのでしょうか?