病院につき、案内された小さな個室。

医師が淡々と説明していた気がする。

やっぱり、ダメだったんだ...

息子はもう死んじゃったんだ...

精一杯息を吹き返せとやってくれたんだ...

でも、戻ってきてはくれなかったんだ...

医師の言葉はちゃんと聞こえてる。

だけど、悪い夢で長いな、リアルだな...

そんなふうにも考えてた。

泣き叫ぶ私と主人...

私は気が遠くなるのがわかった...

車椅子に乗せられ、息子さんに会いに行きましょうと言われて動き出した車椅子...

回りの音は何も聞こえなくなった...

人は見えるが何も聞こえない...

車椅子が時々、キュッキュッと鳴るのは聞こえた。


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