新作歌舞伎『風の谷のナウシカ』から見えた“エンタメ”の真骨頂 | 紙芝居師なっちゃんの『勝手にご当地紙芝居TOUR in 47都道府県』進行中

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先日、行ってきました。
新作歌舞伎『風の谷のナウシカ』
歌舞伎とナウシカの融合、これは観ないと!!と思って。
いやぁ・・・すごかった。
芸事やる人間として、心に刺さる刺さる。
想像を遥かに越えた風の谷が、
新橋演舞場には間違いなく存在してました✨⛰️🌬️✨

昼の部だけ見ようと思ってた
私が間違いでした。
 
夜の部も、
もちろん観させてもらいました。
圧巻でした。
 
日本の伝統芸能『歌舞伎』って
本当に素晴らしいと思わせてくれました。
観たのは、間違いなく『歌舞伎』でした。
 
※写真は開演前と幕間で撮りました。
 
定式幕じゃなくてナウシカ仕様の幕。

 

歌舞伎でナウシカの世界観を

ここまで忠実に且つダイナミックに表せられる

日本の伝統芸能「歌舞伎」の

素晴らしき哉✨😭✨
これに尽きますね👋😆

 

歌舞伎を長年担ってきた創り手、演じ手が、

ナウシカの世界観を

如何に大切に創ってきたかが

目に見える。

 

かといって歌舞伎の基本は

決してブレていない。

 

“見得を切る👀”

ナウシカやクシャナ💖
 

勿論、お囃子も

ナウシカの曲を忠実に🎶
 

更に、あっと驚く、

声が出るような演出🎪✨
 

嗚呼、これ以上は言えないっ🤫✨

 

とにかくとにかく、

目の前にあるナウシカは、

間違いなく“歌舞伎”でした。
 

逆に古典歌舞伎を観たくなる。

 

鈴木Pと駿監督が

手を離した理由が良く判った。

“歌舞伎”のナウシカを求めてたんだね。

 

ナウシカと歌舞伎、見事な融合でした。


中村七之助さんのクシャナが

まぁ美しくて😍💖
 

尾上松也さんのユパさまが

これまたカッコ良くて😍💖
 

菊之助さんのナウシカが

勇敢で😍💖

 

いやぁーすごかったぁー温故知新、

日本の芸能ってすごいよ!!!!

これは見といてよかった。

芸能の端くれとして。

紙芝居で少しでもいいから、近づきたい。

とFBに綴ったところで・・・
「嗚呼私はやっぱり表舞台におる人なんやな」
と思ったことを綴ってみます。
 
今回、上演中に菊之助さんが肘を
骨折したのです。
だから、怪我をおして
通常公演をしたことになりますね。
 
でもねでもね、私が見たナウシカは、
菊之助さんの怪我を微塵も感じさせない
その場でのパーフェクトな
舞台だったんです。
 
FBやSNSでね
「菊之助さん、怪我をおして大変やろうな」
というコメントを見た時に・・・
ん?そうかな?って思ったんだ。
 
多分ね、菊之助さんは
そう思われたくないと思う。
菊之助さんじゃなくて、他の演者さんも、
劇場スタッフさんも、プロモーターさんも
新作歌舞伎『風の谷のナウシカ』にかかわる
全ての方々が、そう思われたくないと思った。
 
プロのお芝居ってね、
それ(ここでいう「怪我をおして出演して大変だろうなぁ」っていうこと)
を見せた時点で、もう違うんよ。
それって、お客さんがその世界に
入っていかないこと示してるの。
それって、
エンタメを誘うことにならないのね。
 
だから、演出も変えるし、衣装も変えるし、
プロモートも何から何まで、
事細かく変えることがあるの。
お客さんに、ハプニングを
微塵も感じさせないために。
 
もっというと
『その時その時、その瞬間のベストを
お客さんに魅せるために』
 
歌舞伎なんてその最たるもので。
さらに聖なるもので。
特にこのくらいのトップクラスの芸能は、
ビックリするくらいの沢山の方々が
影で何年もかけて動いているからね。
 
で、座長である菊之助さんは
それをちゃんと解っていらっしゃる。
 
役者1人としては、
構想してた100%の演出と芝居で
お客さんと対峙したかったと思うよ。
 
でも、怪我しちゃったから、
それが出来なくなっちゃったわけです。
(メーヴェに乗るシーンを削ったりね)
 
で、菊之助さんクラスの役者さんなら、
無理くり怪我前の演出をそのまま
演じられるはずなんよ。
痛み止め打ったりしてね。
 
でも、敢えてそれをやらなかった。
 
私、今だから解るんだけど、
そこが『プロ』なの。一流なの。
 
座長の覚悟を見ましたよ。
 
自分のやりたい所作を削ってでも、
公演を通常モードにした。
 
そして、他の役者さん、お囃子の演奏家さん、
舞台に関わる皆さんもそれを解ってるから、
演出を変えることを厭わない。
出来ることで最高の演出で本番に臨む。
 
すごい。すごい。そこがすごい。
菊之助さんは、ある意味
「自分」をさらけ出したんですよ。
 
さらけ出した相手がお客さんじゃなくて
舞台を作る人たちだった。
 
だから、皆で新たに演出を組みなおし、
お客さんには、最高の舞台を魅せた。
 
結果として、私は
菊之助さんが怪我してたことを
忘れて舞台を観てた。
多分その場にいるお客さんもそうだと思う。
 
それがプロのエンターテインメントなんだ。
圧倒的な心構えを、見せつけられた。
 
表舞台で表現する者としての真骨頂・神髄。
これを魅せてもらった『風の谷のナウシカ』でした。
 
やっぱり、そうだったんだ。
菊之助さんの葛藤、
想いがヒシヒシ伝わってきた、
昨日の「達人達インタビュー」(Eテレ)。
 
吉本新喜劇座長の小藪さんとの対談。
小藪さんも大好きな大好きな芸人さんだから、
このインタビューも素晴らしかった。
お二方の覚悟を見られた。
この対談、芸事やってる人は
是非とも見た方がいい。
 
 
 
 
 
 
 
紙芝居で、どこまで近づけるか。
トライ&エラーをしながら、少しでも、
心意気を近づけよう。
 
私はエンターテインメントの中で
生きて死にたい。
それを改めて、
想わせてくれてありがとう。