記事にするのが遅れてしまったが・・・、この10月31日に最後まで国鉄色を纏ったJR西日本の381系が引退した。
引退した381系は関西地区で使用された特急車両で、「くろしお」、「こうのとり」、「きのさき」などに運用された振り子式の車両であった。
381系がデビューしたのは1972年(昭和47年)で、中央本線の特急「しなの」用としてカーブの多い路線ながら振り子装置を大いに活用させてスピードアップに貢献した(乗り心地は悪かったが・・・)。
引退の理由は“老朽化”だが、関西地区に初めてお目見えしたのが1978年(昭和53年)で、最終増備された車両が1986年(昭和61年)と、最終型だけでも30年近いの歳月が経過していた。
マスコミでは「最後の国鉄色列車」と報じられたが、国鉄時代からずっとこの塗装を保ったわけではなく、民営化後に「くろしお」専用色として塗り替えられ、「くろしお」撤退後は北近畿地区への特急転用のために国鉄色に塗り戻した車両である。
引退後すべて後継の289系に置き換えられ、これにて関西地区から国鉄特急型車両は姿を消した。
「くろしお」に関しては381系より所要時間が延びたというデメリットが発生したが、快適さを重視したためゆったりとした鉄道の旅が楽しめると思う。
なお381系は岡山~出雲市間を結ぶ特急「やくも」に残り、こちらに関しては当面使用されそうである。
念のために言っておくが、今回引退したJR西の381系は「くろしお」用として新造された車両で、「しなの」に使用された車両を転属したものではない。