2022年正月も見た演目ですが

今回は

二条城配膳の段と 夕顔棚の段・尼崎の段の間に

千本通光秀館の段 がある

さて どんなお話でしょうか?


二条城配膳の段

二条城で 勅使の饗応役の武智光秀と森の蘭丸

尾田春長の命令で 

蘭丸は お膳を持って来た光秀の一子十次郎に

お膳の内容を聞き「光秀の独断でするな」といちゃもんをつける

そこへ光秀が来て 光秀と蘭丸と言い争いになるが

陰で隠れて経緯を見ていた春長が2人を止めに入る

「蘭丸の言うことは私の言うことだ」と

蘭丸に光秀を鉄扇で打つように指示

蘭丸に打擲されて 額に傷を受ける光秀

春長に「口惜しいと思わぬか?」と問われて

「大恩ある君に捧げた命だから惜しくないが 世の人は大将のことを鬼の再来と言っている その心を翻しあっぱれ仁義の大将と呼ばれるように してくだされ」

と 言葉を振り絞る

その言葉に怒りを募らせた春長は 光秀親子を二条城からの追い出す


千本通(せんぼんどおり)光秀館の段

光秀親子の饗応が 首尾よく行っているか心配の光秀の妻操(みさお)と家臣の九野豊後守(くのぶんごのかみ)神や仏に拝んでいる


そこへ 血相を変えて帰ってくる光秀親子

額の傷についても何も言わない光秀

十次郎が代わりに説明する

立ち聞きしていたもう1人の家臣の 四王天田島守(しほうでんたじまのかみ)は 

蘭丸の首を取ってくる!と 血気盛ん

止める九野 対照的な2人の家臣

「蘭丸は殿の命令でやっただけだ」蘭丸に恨みはない光秀

そこへ春長からの使者が来て

「すぐに中国に出陣せよ 真柴久吉の下で功績をあげよ

敵地である出雲国と石見国の2国を与える そのかわりに近江・丹波2国は 没収」と 

「すぐに屋敷を引き払え」と


使者が帰ったあと 一徹短気な四王天田島守は 謀反を起こそうと、けしかける

妻の操と九野豊後守は 心穏やかに思いとどまるように説得する

何も言わなかった光秀は 最後に

「ムム 心なき人は何とも言わば言え。身をも惜しまじ、名も惜まじ」と言って

豊後守の首を刎ねる


さあ これで謀反の心は決まった!

というところで幕


25分の休憩 昼ご飯を食べて


夕顔棚の段 と 

尼崎の段

は 以前に何回か見たことがある


配役は

武智光秀が 吉田玉男

旅僧実は真柴久吉が 吉田玉佳

光秀の母さつきが 桐竹勘壽

妻操が 吉田勘彌

嫁初菊が 吉田蓑紫郎


義太夫節は

夕顔の段が 竹本三輪太夫 竹澤團七

尼崎の段は

前が 豊竹呂勢太夫 鶴澤清治

切が 竹本千歳太夫 豊澤富助


光秀が柴垣の影から登場して 竹槍を作るところから

切り語り 千歳太夫です


千歳太夫さんの語りは 盆が回った瞬間から エンジン全開 真っ赤な顔で 大きな声で感情込めて語る

エンジン全開の上に 途中からアーボがかかって

一言一言が 観客にドーンと伝わる

富助さんの三味線も語りに負けずとグイグイ引っ張る

大袈裟ではないが〝命懸け〟の義太夫節でした


今日が千穐楽か

行きたかったけど 仕事で行けない 残念無念