①  2012年 6月7月と新橋演舞場で

四代目市川猿之助襲名披露 九代目市川中車襲名披露 五代目市川團子初舞台の披露狂言として『ヤマトタケル』が上演された

猿之助はヤマトタケル 中車は帝 團子はワカタケル役だったようです

(私は『ヤマトタケル』は今回が初めて)

その際 團子のために 猿翁はワカタケルに台詞をつけた

その当時 團子8歳だったんですね


昨夜 1995年(平成7年)収録の『ヤマトタケル』のNHKの追悼放送の録画を志貴の里だけ見直した

ワカタケルは登場するがやはり台詞はない

宙乗りで鳥屋に引っ込んだあと 出演者が勢揃いしての挨拶は ありました

以前私が見た時は 宙乗りの最後で終わったと思いこみ見ていなかっただけでした


今年20歳の團子 12年前にワカタケル役だった少年が 主役のヤマトタケルを演じる

感慨深いですね


②  古事記をもとに作られた梅原猛先生の原作は 

大スペクタクルの連続 

帝や皇后の権力にへつらう官僚がいたり社会風刺もある


登場する女性は 

皇后や兄橘姫 弟橘姫 倭姫 みやず姫 

皆さん プライドが高い

戦国時代などは 姫様は政略結婚で道具のように扱われたが 古代の姫様達を しっかり自己を主張できる女性として描いた梅原猛


③今日 熱田神宮に草薙の剣がある理由や 三重県の名前の由来も知ることができた

戦前の教育を受けている人々は 古事記や日本書紀は学校で教わっていたのでしょうが 日教組全盛の戦後教育を受けた私には 家にあった古い絵本の知識しかない


④登場人物の衣裳が どれもこれも手が込んでいて

素晴らしい

また 役者さん皆さん良かったですが なかでも 兄橘姫と弟橘姫の2役を演じた米吉は 美しいし性根の違う2人を演じ分けていて素晴らしかった

5月の御園座 6月の大阪松竹座では 

米吉の代わりに壱太郎です

壱太郎君にも頑張ってほしい


⑤ 筋書きの表紙は 山並みに昇ってきた太陽と朝焼け




青垣山籠れる大和の国に 帝の象徴のお天道様が昇ってきた そんな絵なんでしょう

面白いのは 裏表紙をめくったところに 白鳥の羽が1つ描かれている



と言うことは 

この太陽は ヤマトタケルを表しているのか⁈


⑥  昭和61年  三代目猿之助がスーパー歌舞伎の1作目『ヤマトタケル』を上演

三代目が倒れた後2012年 四代目猿之助が襲名披露狂言として演じた 三代目の孫の團子がワカタケル

昨年猿之助さんに色々あって 

三代目猿之助(二代目猿翁)の追悼の意味もあるでしょうが 『鬼滅の刃』の空いた穴を埋める感じで

孫の團子が 今年ヤマトタケルを演じることとなった

こうして三代目猿之助の藝は受け継がれていくのでしょう か


⑦ ラストは自分の墳墓の石組みをぶち壊して登場するヤマトタケルの白鳥の精

私には 大きな大きな不死鳥に見えた

四代目猿之助さん

どうかこの白鳥のように 堅固な石組みの墓をぶち破って 神々しく 不死鳥のように復活して欲しい

四代目猿之助の『ヤマトタケル』を是非見たい