12月3日  日曜日

初日から3日目の舞台




仮名手本忠臣蔵 七段目

「祇園一力茶屋の場」

南座で ご当地の狂言の一力茶屋の場を

仁左衛門の由良之助で観られる幸せ


遊女おかるは 孝太郎 

平岡平右衛門は 芝翫

力弥は 莟玉君だ


由良之助を訪ねてくる3人の赤穂浪士は

進之介 隼人 染五郎

3人のうちでは 由良之助と平右衛門の芝居を見つめる隼人君の目が鋭い

富森助右衛門の役どころではあるが 恐らく仁左衛門さんと芝翫さんの芝居を盗んでいるのでしょうね

勉強して 隼人君の由良之助もアリだなぁ


おかるが 赤い珊瑚のかんざしを落とすところ

私は いつも このかんざしがストンとタイミングよく落ちるか注目してしまうのだけれど(変わった性分)

今回も 一度ぶらっとなって ポトリと軟着陸



南座顔見世では 松嶋屋三代共演の舞台を見てきたが 今回は 千之助君は来ていないのね


逆に染五郎君は1人で京都に乗り込んできた?

あ 斧九大夫にちゃんと松本錦吾がいたわ




口上


絵看板とは違い 後ろの金の襖に描かれていたのは 三升の紋ではなく 白い大きな牡丹の花が いくつも咲いていました


前列に4人

上手から 仁左衛門 團十郎 新之助 梅玉


後ろにあと2列 柿色の上下の俳優さんが整列していたが

誰が列座していたかはよく見えず 

恐らく2列目1番下手に右團次さんか?


ご挨拶したのは 最前列の4人だけ

仁左衛門さんは 司会役 

先代の團十郎さんとは 夏雄ちゃん孝夫ちゃんと 幾つになってもちゃん付けで呼び合う仲だったとか

梅玉さんは 去年の11月から始まった團十郎襲名披露興行で 私は今までずっと出演していると 先代の團十郎さんとは学校では同級生で 私の娘と当代とも同級生という仲 だとか


重鎮2人の挨拶は 当たり障りのない優しい挨拶でした

最後に團十郎さんに にらんで貰いました

この前 歌舞伎座でにらんでもらってから はや1年か

この1年も無病息災で過ごせますように




夜の部の十三代目團十郎白猿襲名披露狂言は

『助六』


幕が開くと 緋毛氈を敷いた床机がところ狭しとら並べられている

河東節の皆さんが入る御簾が舞台の3分の2くらい締めて

南座の舞台の幅の狭さを感じる


口上で登場は 柿色の肩衣を付けた染五郎 

立派に口上を述べました




個人的な注目は 初役の壱太郎の揚巻


背が高いから 鳥屋から出てきた壱太郎揚巻は 張り出した2階席の天井スレスレでした

(児太郎の白玉もスレスレでした 2人は背が高い)


出端の揚巻は 酔いでフラフラするのだけど 

なんだか 儚さとか憂いを感じる陰の揚巻でした

初役から3日目だからか?

壱太郎の上方歌舞伎の遊女を見てきたからか?

そのイメージのまま 揚巻の悪態の初音になっちゃた


團十郎の助六はの出端は 格好良くて男が見ても惚れ惚れする

1階10列目の上手で見ましたが 

歌舞伎座より小さい分凄く見やすい


本舞台に入ってからの助六は 色んなやんちゃをしますね 台詞も独特だし

それにフフフ とか ハハハ とか 客席から笑いが出る

扇雀の白酒売りや 芝翫のくぁんぺら門兵衛にも 笑いが出る

通人の鴈治郎には ドカーン ドカーンと大笑い

 


歌舞伎座で見る『助六』と

南座で見る『助六』は 異質なものと感じた

(東京ドームで見る巨人阪神戦と 甲子園で見る阪神巨人戦の違いみたいに)


恐らく劇場の大きさと客の違いによるのだろう

南座は劇場が小さい分役者も見やすい 

関西の客は 東京のようにお上品ではなく また関西人は何かにつけて良く笑う 面白かったら素直に笑う

私には 舞台の役者と客席が一体となった 南座の『助六』が好き

最後まで面白く『助六』を見ましたよ


2回目に出てきた壱太郎揚巻は 

イメージ通りの揚巻でした


男女蔵さんの髭の意休も良かったよ

左團次さんの藝は継承されてます