前回の続きです 
ここから義太夫が替わります


太夫は豊竹咲太夫 
今日よりだいぶ太っていたようです
三味線は鶴沢清介
沢の字が澤でないのと 今はスキンヘッドの清介さんですが 、髪の毛がたっぷりあります

昭和59年 今から36年前か 
この年国立文楽劇場が柿落としだったので 
通し狂言『義経千本桜』は、柿落とし公演だったのでしょうか?


つづく場面も 渡海屋のまま

義経一行外来出て行ったあと

銀平なかなか登場しません
おりうとお安は 銀平を呼ぶ

「知盛の幽霊なり」と声があり 次の間の襖が開くと


歌舞伎の知盛の拵えとほぼ同じ平知盛

知盛はお安を上座に座らせ


お安は81代安徳帝である と

おりうは、安徳帝の乳母である典侍の局(すけのつぼね)

知盛の拵えは死装束 幽霊、怨霊になっている
なぜこのような格好をしているかを説明する

屋島の合戦で 二位の尼(安徳帝の祖母、知盛の母)は、安徳帝を抱っこして、知盛と共に入水自殺したことになっている
これから風雨の悪天候の海に 義経を討に行く
死んだ知盛の幽霊・怨霊が海から現れて義経を討ち取った としたい
もし知盛が生きていて義経を討ったとなると、世間を欺いていたことになるし、今後源頼朝側からの仇討ちの連鎖が知盛や安徳帝にも及ぶ 安徳帝の御養育も出来なくなる

と理解しました 




ナルホド、渡海屋で隙を見て義経の寝込みを襲ってもいけないのですね
武士として幽霊として堂々と荒れ狂う海で戦うのですね
それで知盛の家来たちもみんな恐ろしい幽霊・怨霊の格好をしているのか



知盛早うと勅(みことのり)




飛ぶが如くに 知盛は駆け出ていく


動きの大きな知盛
玉男は ハッとかヨッとか気合を入れて ポーズを決めていました
最後は 大きな拍手で送られました

つづく