本年6月号の『法学教室』の神橋一彦先生の「公法訴訟 論点講座 第2回」はいろいろと勉強になりました。とりわけ、土地利用計画における、土地区画整理と用途地域指定に関して、判例が明確に一線を画して判断をしているとの神橋先生の説明が印象に残り、勉強になりました。
この点に関しては、私はこれまであまり意識していなかったのですが、いわゆる「サクハシ行政法 第2版」などには、しっかりと説明がなされていました。
すなわち、土地区画整理事業計画について、判例は「抗告訴訟の対象とするに足りる法的効果を有するものということができ」るとして処分性を肯定し、判例変更をするに至ったと解説されています(最高裁平成20年9月10日判決)。
一方、都市計画法に基づく都市計画区域内での用途地域の指定については、判例は、その効果は「当該地域内の不特定多数者に対する一般的抽象的な」ものにすぎないので、処分性を否定していると説明されています(最高裁昭和57年4月22日判決 サクハシ行政法278頁)
これまで、”行政計画に関しては、いわゆる青写真論に関して判例変更がなされた”くらいにしか理解していなかったのですが、土地区画整理と用途地域指定とをしっかりと分けて理解しなければと思いました。
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