九州地方知事会議(会長・金子原二郎長崎県知事)が2日、武雄市であり、不明瞭な支出などが問題となっている国の直轄事業負担金制度の見直しを求める特別決議を採択した。退職手当や恒久的な庁舎の建築費用を除外し、最終的には制度廃止を求めている。

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 国の直轄事業に伴う地元自治体の負担金をめぐっては、使途の不透明さに加え、出先機関の庁舎建設や職員の退職金に使われるなど支出内容にも批判が相次いでいる。

 決議では庁舎建設費などのほか、ダムなど施設の維持管理負担金を来年度から廃止し、事業採択や実施の際に地方の意見を反映させる制度創設などを要請。地方への権限と財源移譲を進めたうえで、最終的に負担金制度を廃止するよう求めている。

 国は全国知事会の要求を受ける形で負担金の内訳を5月末に各都道府県に開示した。会議では開示内容について、人件費などの具体的な算定方法や考え方が明確になっていないとし、詳細な説明を求めていくことも確認した。

 会見した古川康佐賀県知事は「改革にはいくつかの段階がある。まずは今回の情報開示で明らかになった問題点を改善し、その上で制度そのものの見直していくべき」と、改革の必要性を強調した。

 会議ではこのほか、北朝鮮の核実験への抗議や拉致問題の早期解決を求める決議、要望を採択。国への要望事項として、有明海再生に向けた諫早湾干拓潮受け堤防開門調査のための環境アセスメントの早期実施▽九州新幹線の建設費増加に伴う地方負担の軽減に向けた財源措置の拡充▽新型インフルエンザ対策での医療従事者の補償制度創設や発熱外来設置費用の財政措置─など67項目を決めた。