女教皇に出会うために、少し長い旅をした。

みんな、少し学ぶと、すぐに門の中に入って人かどの人物になってしまうので、

どこに行っても女教皇はいなかったが…


いた、いた。

門の前に座り込み、目を輝かせている女教皇が。


「元気そうね😘」

と声をかけると、女教皇は、久しぶりねと懐かしがるでもなく、手元の本を掲げてこちらに見せた。


「ねえ、これ、すばらしいと思わない❓」

「女は女に生まれるのではない、女になるのだ、って」


この女教皇は、昔は源氏物語に心酔していた。

それから長い長い旅をして、ボーヴォワールに辿り着いたのね。


「なぜあなたは門の中に入らないの?

知識は使ってこそ、人の中で生きるものなのに」


彼女に会うといつもこの質問をしている。


「私は、自分がみつけたこの知識の世界が好きなの。人とこの知識を交換したら、それは今のこの世界ではなくなってしまう。だから私は門に入らないの」


「ずっとここにいるの❓」


「今はまだ準備ができていない。

まだ門はくぐらないわ」


次にここに来る時、女教皇がもう門の中に入っているといいな。


「じゃ、またね( ´∀`)」


さて、次は、女帝。

あまり行きたくないけど…(*´ー`*)