こんにちは。

 

年金改革法案の審議が進むなかで、少し置き去り感があるのが、遺族厚生年金の見直しです。


例の「基礎年金の底上げ」にばかり関心が集まっていますが、こちらの方は大きな改正にもかかわらず、議論の盛り上がりは感じられません。

 

一部のSNSでは、年金がもらえなくなるという誤解に基づくコメントが出ています。


それも無理がないと思うのは、この年金制度の複雑さにあります。

 

今回の見直しの内容は、厚労省のホームページに詳しく図表を交えて紹介されています。


社労士やそれを目指して学習している人には十分な説明だと思いますが、それ以外にとってはやはり理解しにくいと感じます。

 

例えば、これまで30歳以上で支給対象となった女性は子どものあるなしにかかわらず、終身にわたって年金がもらえたのですが、見直し後は18歳未満の子どもがいない場合は5年間の有期給付となります。

 

これは、これまでも、女性が30歳未満の場合には、5年限定とされていたのですが、これを60歳まで同様の取扱いにするということです。


この取扱いを知っていれば、まだ分かりやすいのですが、知らなければ、5年限定が唐突に出てきたように思ってしまいます。

 

今回の見直しによって、もともと複雑な内容であったものが、さらにややこしくなった感があるものが他にもあります。

 

例えば、5年限定は60歳以降に遺族になった場合には適用されないとか、離婚時の3号分割と同じように「死亡分割」として上乗せ給付するとか、いろいろ細かな規定が導入されることになっています。

 

どれも制度導入によって不利になるのをできるだけ防ぐための措置なのですが、複雑さが増せば増すほど、世間の関心は遠のいていくように感じられて仕方ありません。


法律改正が決まるまで、十分な議論がされることを期待しています。

 

今回もお付き合いいただきありがとうございました。次回の更新でお会いできたら嬉しいです。