こんにちは。
今受講している市民後見人講座のプログラムの一環として、認知症の当事者からお話を聞く機会がありました。
その女性は齢90歳くらいで、数年前からグループホームに入居し、同じ認知症の人たちと共同生活を送っています。
本人曰く「自分は認知症だとは思っていない。」「工夫次第でうまく生きていける。」「スケジュールをカレンダーに記し、日々の記録はノートにしている。」と、至って前向きに生きていることが伝わってきます。
この女性、1年間かけて、自宅の整理をして売却を済ませたといいます。また、昨年は大腿骨骨折に見舞われましたが、リハビリの末、見事元の生活に復帰されたようです。
そして今は、自ら企画して、同居人だけでなく、近所の住民、さらには他の施設を招いた「サロン」(茶話会)を主宰し、交流を図っているということです。
そんな話を聞いていて、これまで抱いていた認知症患者に対する印象が大きく変わりました。
もちろん、この女性のような方ばかりではないことは分かりますが、気持ちの持ち方一つで、暮らし方も変わり、人生の新たな目標もできる、ということを教えてもらったように感じています。
今年1月に「認知症基本法」が施行されました。また、それに基づく国の「基本計画」も先日閣議決定されました。
そのなかの4つの「重点目標」の一つに「当事者の意思尊重」というのがあります。
この考え方は、高齢者にも、障がい者にも共通したものでその趣旨は理解できるのですが、身近な人に当事者がいれば、すぐにそんな気持ちになるのは難しいかもしれません。
こうした考え方を広げ定着させていくためには、何よりも認知症という症状の本質を正しく理解することから始めないといけないわけですが、まだそこまでは行っていません。
だれもがなり得ると分かっていても、自分事として考えられないのです。
今回の法の施行が、認知症への理解を深めることのきっかけになればと思います。
今回もお付き合いいただきありがとうございました。次回の更新でお会いできたら嬉しいです。