こんにちは。

 

先週「育成就労制度」を創設する法律が成立しました。


余りピンと来ない人もいるかもしれませんが、あの悪名高き(?)「外国人技能実習制度」に代わって導入される制度です。

 

これまでは、国際貢献という名目で受け入れてきた技能実習生でしたが、これからは、専門的技術の習得を目指して人材育成する制度にしようとするものです。


既にある特定技能への移行を目指すということですが、実は今でも技能実習から移行するルートがありますので、制度が根本的に変わるわけでありません。

 

国際的な評判が芳しくないので、外観を塗り直す大規模リニューアル工事を実施するというのが素直な見方といえそうです。


看板の付け替えといわれるゆえんです。

 

この制度をめぐっては、外国人が日本人の仕事を奪うことになるという指摘があります。


確かに、外国人労働者数と日本人失業者数がともに約200万人で、微妙に一致しているため、そうした声が出るのかもしれません。

 

しかし、現場で聞く事業主の声は、「しんどい仕事は日本人はやってくれへんし、たまに入ってきてもすぐに辞めてしまう。その点、実習生は辛抱強くやってくれる」というものです。

 

人材不足の現場には、何も進んで実習生を入れているのではなく、そうせざるを得ないからやむなく入れているという厳しい現実があります。

 

このように中味が余り変わらないとなると、これまでの課題は依然として残ることになります。


一方で、受入数は今後も増加することになるのは目に見えていますので、今の課題を少しでも解決していくことが求められるのですが、新しい制度まで、わずか3年の猶予しかありません。


何から手を付けていくのか、しっかりしたロードマップが示されないと、状況は厳しくなるばかりです。


今回もお付き合いいただきありがとうございました。次回の更新でお会いできたら嬉しいです。