こんにちは。

少し前、日本人は社会保険料には比較的寛容であるのに対して、税には極めて敏感であることに触れました。


その具体例として、子ども子育て支援金と定額減税の2つを挙げました。


このように、税はイヤだけど、社会保険料なら仕方ないと感じるのは、それぞれが持つ性質の違いによるところが大きいと思います。


社会保険料は、納めた保険料と給付の間に、関連性があり、負担能力に応じて負担したものが、年金として自分に戻ってくるという性質があります。


この関連性のことを「牽連性」(けんれんせい)と言ったり、自分に戻ってくることを「対価性」と言っているようです。


公的年金においては、保険料と保険給付との間に牽連性があり、対価性があるとした判例があります。


一方、税には、原則としてこの対価性がないとされています。要するに税の納付は給付の根拠にならないということです。


社会扶助制度の生活保護を想定すれば、イメージできるかもしれません。


自分が払った分が、全額ではないがそのうち戻ってくる社会保険料は払うけれど、払ったからといって、戻ってくるとは限らない税は払いたくないという心理が働くことになるのです。


こうした仕組みになっているからこそ、社会保険料は自分に身近なものとして、負担感は少ないのですが、それだけに負担内容に無頓着になってしまうという盲点があるのです。  


今回もお付き合いいただきありがとうございました。次回の更新でお会いできた嬉しいです。