こんにちは。
日本語で書かれたものをローマ字に置きなおすことがありますが、異なる言語体系でできたものですので、発音を忠実に表現することは難しいです。
小学校で教えられたのは「訓令式」という方式でしたが、もう一つ「ヘボン式」という方式が併存する形で使用されていました。
例えば「し」は「訓令式」ならSIですが、「ヘボン式」ならSHIになります。
幕末に日本にやってきた、米国人医師ヘボンが、英語に近い発音にしたのが「ヘボン式」でした。
最近では、どちらかというと、こちらが有力で、パスポートやクレジットカードに記載するときなどはこの方式が使われています。
もちろん、どちらを使ってもよいのですが、実は公式の方式は、1954年の内閣府告示で「訓令式」とされており、今もそれは変わっていません。
ところが70年経って、ようやく有力な方式である「ヘボン式」に改める方向で議論が進んでいるようです。
これが実現すると、氏名表記は、太田さんはOTAで、大野さんはONOになります。
小野さんもONOになりますので、その区別ができないのですが、発音に大きな違いがなければそれほど問題ないのかもしれません。
少しややこしいのは、B,M,Pの前の「ん」で、これは「N」でなく「M」とする決まりで、難波さんはNAMBA、本間さんはHOMMA、三瓶さんはSAMPEIとなるようです。
ただ、パスポートでは、今でも「ヘボン式」によらなくてよい場合として、前回のパスポートが非ヘボンである場合や、国際結婚などで他の表示を用いている場合などが挙げられています。
今回、方式が統一されることは歓迎ですが、戸籍のふりがな表示も是非「ヘボン式」に統一してほしいと思っています。
今回もお付き合いいただきありがとうございました。次回の更新でお会いできたら嬉しいです。