こんにちは。
「年金の話」としてこれまで取り上げてきた現在の年金制度は、随分古い男性と女性の関係に基づいて組み立てられたものです。
例えば、第4回の「モデル年金」はその典型だと言えます。
それにとどまらず、特に遺族年金を始めとした「遺族給付」には、様々な「男女間の差異」が見られます。
「年金の話」第9回は、「遺族給付と男女間の差異」について取り上げてみます。
この「男女間の差異」には、思いつくだけで次のようなものがあります。
・寡婦年金、中高齢寡婦加算、経過的寡婦加算→女性だけに支給
・遺族厚生年金→男女間で差異あり
・遺族基礎年金→今はなし(平成26年までは父子家庭には支給されず)
こうした規定は、それまでの固定化した観念のもとで制度化され、時代の変遷のなかでいろいろな意見が出されたものの(ゾンビのごとく)生き残ってきたものと言えそうです。
判例でも、そうした差異の存在を支持したものがあります。
遺族補償年金の受給要件が夫だけが60歳以上(当分の間55歳以上)となっていることについて、男女間の労働力人口の割合、賃金格差、妻の雇用環境などを理由に是認したのでした。
この最高裁判決が出たのは、7年前の平成29年のことです。
令和に入ってようやく差異を解消すべきという意見が大勢となり、今、社会保障審議会で見直し議論が進められているようです。
その行方を見ていきたいと思います。
それにしても、未だに使用される「寡婦」に漂う昭和の香りは、この際払拭して何か別の言い方にしてほしいと思うのですが。
今回もお付き合いいただきありがとうございました。次回の更新でお会いできたら嬉しいです。