こんにちは。

前回取り上げた「モデル年金」の額は老後を支える収入として、決して十分なものとは言えません。


ところが、一方では、年金を主な収入源としている受給者の割合が高いのが現実です。


こうしたことから、国年法や厚年法では、年金受給権は護られるとしていますが、現実はどうなっているのでしょうか。


「年金の話」第5回は「護られている?年金受給者」についてです。


よく知られているように、年金受給権は、譲り渡すこと、担保にすること、差し押えることが禁止されています。


しかし、これには例外が2つあります。


1つは、老齢年金は雑所得として、所得税や住民税がかかります。給与と比べると優遇されていますが、虎の子の収入から天引されるのは寂しいです。


さらに、天引きされるものに、介護保険料や国民年金保険料があります。年々高くなっているだけに断腸の思いがします。


他方、障害年金や遺族年金は課税されることはありません。老齢年金と性格が違うというのがその理由です。


なのに、保険料は天引されることがあります。課税されないと言いつつ、年金から天引というのは、一貫性がないような気がします。


徴収や納付の手間を省くという趣旨で、違法とされないとする裁判例があります。


もう一つは、老齢年金は税金滞納により、差し押さえることができるということです。


税を課することの裏返しだと言えますが、そこまでやるかという感じがしないでもありません。


障害や遺族はここでも除かれています。


こうしてみると、年金は十分に護られているとは言えない側面があります。


今回もここまでお付き合いいただきありがとうございました。次回の更新でお会いできたら嬉しいです。