こんにちは。


春分の日。いつものお彼岸と一緒で、今回も朝早くから墓参りに出かけて、17基の墓石に樒(しきみ)と線香を供えてきました。


「暑さ寒さも彼岸まで」とは名ばかりで、今年の春の彼岸の中日は全国的に強風が吹き荒れる生憎の天気でした。


こんな日は、録りためたビデオを観るに限るということで、先日BSでオンエアされた山田洋次監督「学校」(1993年)を観賞しました。


舞台は下町の「夜間中学」です。余りその存在が知られていませんが、そこには様々な理由で義務教育を受けることができなかった人たちが通います。


非行に走った少女、貧困で学校に通えなかった中年男性、中国残留孤児の青年、在日韓国人の老女など、多様なルーツや経歴を持つ人たちです。


そこでは、受験のための教育ではなく、生きるための知識を学ぶための教育が施されています。


この作品に描かれた、真剣に授業に臨む学生と教師の姿には、学校教育の原点を突きつけられた気がしました。


映画公開から30年経った今、この「夜間中学」が改めて見直されています。


今後増加する外国人労働者や、帯同する家族の日本語教育の場として「夜間中学」を活用する取り組みが進められているのです。


先日折しも、技能実習制度に代わる新しい育成就労制度を創設する法案が今国会に提出されました。


公的な教育機関として日本語教育の場が確保されることは大変意義深いのですが、いかんせん、その数は全国で44校しかありません。


これではとても増大するニーズに応えることはできそうにありません。


外国人労働者等への日本語教育の問題は、これからの労働力をどう確保していくかに関わる重要な課題です。


法案審議のなかでは、これからの夜間中学のあり方、日本語教育のあり方について、実のある議論をしてほしいと思っています。


今回もお付き合いいただきありがとうございました。次回の更新でお会いできたら嬉しいです。