こんにちは。

 

年金受給者に関心の高い、令和6年度の公的年金額の改定が公表されました。

 

結果的には、2.7%引上げということで、昨年に引き続き2年連続の引上げとなります。


この改定の仕組みは何度読み返しても分かりにくいのですが、今年はこういう仕組みの結果となります。

 

まず、参考にされる指標は次のとおりです。

・物価変動率:3.2% ①

・賃金変動率(名目手取り):3.1% ②


この両方がプラスで「物価」>「賃金」の場合のルールは、「賃金」の変動率を用いることになっています。新規裁定者も既裁定者も同じです。

 

そのうえで、今回はプラスの年金改定となりますので、例のマクロ経済スライドによる調整が発動されることになります。

・マクロ経済スライド調整率:▲0.4% ③

 

また、マクロ経済スライドの持ち越し、いわゆるキャリーオーバーは、昨年全部(0.6%)を吐き出していますので、今回調整されるのは0.4%分だけとなり、結果的に、②-③=2.7%の改定となるのです。


この結果、厚生年金受給者のモデルケース(夫婦2人分)では、月額6,001円の受取り増となります。


2年連続の増額は確かに嬉しいことなのですか、物価上昇率は年間3.2%ですので、それに追いついていないことになり、喜んでばかりはいられません。


しかし、朗報もあります。


働きながら年金受給している場合の支給停止の基準となる在職老齢年金の支給停止調整額は物価連動ですので、48万円から50万円に引き上げられます。


50万円を超えた分の半分だけの減額となり、調整されない部分が増えることになります。


毎年こうして年金改定ルールを確かめているのですが、また1年後にはすっかり忘れてしまいます。


この記憶力の減退にはほとほと困っています。

 

今回もお付き合いいただきありがとうございました。次回の更新でお会いできたら嬉しいです。