こんにちは。

 

「ボーナスの壁」という言葉があるのを初めて知りました。


「年収の壁」は個人的には今年の流行語大賞に匹敵するほどのインパクトがあったと思っていますが、こちらの方はどうなんでしょうか。

 

説明はやや面倒ですが、厚生年金の保険料のうちボーナスに係る標準賞与額は150万円が上限となっています。


そこまでもらっている人はそう多くはないと思われます。

 

一方、月例給の方は現在では65万円(32級)が標準報酬月額の上限となっています。


それ以上もらっている人は一定数いますが、保険料は変わることはありません。

 

この仕組みを使って、本来ボーナスで支給すべき報酬を月例給に回して、支払う保険料を「節約」することが行われているという指摘があるのです。

 

これで得するのは、企業も労働者も同じで、折半する保険料(18.3%)が安くてすむことになります。


一方、労働者にとっては将来受給する年金額が目減りするというデメリットがあります。

 

年金額は、ボーナスを含めた「平均標準報酬月額」を基にして算出されるからです。

 

この度公表された厚労省の資料を見ると、32級の被保険者の約4割で、標準賞与額が「ゼロ」になっています。


その下の16~31級の層が約2割であるのと比べると対照的で、指摘されているような「節約」が行われていることを示しています。

 

今のルールでは全体の平均額が最上級の2倍を上回る場合に追加することになっていて、3年前に32級が追加されたところです。

 

このルールを見直す方が年金財政にはプラスになるという説明がされていますが、果たしてどうなるのか、注目したいと思います。

 

今回もお付き合いいただきありがとうございました。次回の更新でお会いできたら嬉しいです。