こんにちは。
街中には、新旧取り混ぜ様々な建物が混在し、それらが常に新陳代謝を繰り返しています。
これまで駐車場だったところに知らないうちにビルが建ったり、古い邸宅の後におしゃれなマンションが建ったりして、常に街は姿を変えているのです。
そんな建物を見るのは本当に楽しいのですが、その楽しみの一つに建築物が建てられた時期を知ることがあります。
大きな建物には、大抵「定礎」という四角の石板が埋め込まれています。
文字通り、建物の「いしずえ」に当たる部分で、多くは玄関のところにあります。
そこには工事が完了した建築年月が例えば「平成30年8月」といったふうに刻み込まれています。
これを見ていくと、新しい建物に混じって結構年季の入った古い建物が健在であることが分かります。
毎朝通勤時に通り過ぎる古いビルの「定礎」には、「昭和34年6月」とあります。
もう64年前に建築され、ここでずっと街の歴史を見守ってきたのです。
古いビルですが、メンテナンスが行き届いていて新しいビルと遜色なく見えます。
その前を通るごとに、自分もまだまだ頑張らなくてはと勇気づけられます。
この「定礎」は法律で定められたものでなく、建築主が任意に設けることになっているのですが、実は余り知られていない秘密があります。
「定礎」の奥には箱(定礎箱)が埋め組まれていて、その中に建物の図面や当時の新聞、関係者名簿、施主の名前などが保管されているらしいです。
いわば「タイムカプセル」のようなもので、建物が解体されるまで、この箱が開けられることはありません。
建築に携わった人たちが将来に向けて発信するメッセージのようなものだと思います。
建築を愛する人たちのロマンが感じられ、何だかホッとする話です。
今回もお付き合いいただきありがとうございました。次回の更新でお会いできたら嬉しいです。