こんにちは。
前回紹介した「労働力調査」からは、いわゆる「年収の壁」の実態も見えてきます。
非正規で働く女性の年間収入(令和4年)は、
・100万円未満:41.2%
・100~199万円:38.2%
となっており、一定数が「年収の壁」を意識しながら働いている様子を垣間見ることができます。
また、令和4年10月から101人以上の企業に短時間労働者の社会保険適用が拡大された状況をJILPT(労働政策研究・研修機構)が調査しました。
❶新たに適用になった:14.5%
❷適用になり収入確保に時間延長した:6.4%
❸適用されないよう時間短縮した:12.0%
❹適用とならないが今後働き方検討:21.0%
❺適用とならず今後も変えない:41.4%
適用拡大を前向きに受け止めた人(❶+❷)が約2割いたほか、今後検討する人(❹)も約2割いたという実態が見えてきました。
手取りが減らないよう、時間を延長した人もいれば、また逆に短縮した人もいて、工夫のあとがうかがえます。
個人的には、適用拡大を積極的に考えている人が予想以上に多かった印象です。
働く側からすると、社会保険の適用で、将来的に年金が増えたり、傷病手当金の対象になるメリットがある反面、現在の手取りが減るリスクもあります。
特に物価高騰で賃上げが追い付いていない厳しい現状では、何とか手取りを確保したいという気持ちがあっても仕方ないと思われます。
政府は「年収の壁」をなくする方向で検討しており、国が雇用保険から助成する案も出ているようです。
ただ、この問題は、単に適用拡大にとどまらず、国民皆年金を実現した第3号被保険者制度をどうするかという、年金制度全体の問題でもあります。
これまで、幾度となく浮かんでは消えた「年収の壁」を超える試みが、今度はうまくいくのかどうか、本気度が試される大切な問題です。
余り性急に結論を出すのではなく、ここはじっくり時間をかけて議論してほしい気持ちもあります。
今回もお付き合いいただきありがとうございました。次回の更新でお会いできたら嬉しいです。