こんにちは。

前回までの「採用」「試用期間」に続いて、今回は「労働条件の明示」「異動(転勤)」について取り上げます。


その8:転勤命令では運用が大切

「モデル就業規則」(モデル規則)では、

「労働条件の明示」(7条)

「人事異動」(8条)  

として、規定を置いています。


⚫︎明示は電子メールでも可能

「労働条件の明示」は労基法15条や労基則5条に基づくものであり、6項目について原則書面交付で行うこととされています。


労働者からのリクエストがあれば、EメールやSNSでも交付可能です。


また、パート・有期雇用労働者については、昇給、退職手当、賞与の有無、相談窓口についても文書交付等で明示することになっています。


⚫︎転勤は労働者の事情を配慮

「人事異動」の項では、

・業務上必要な配置換えと職務内容の変更

・業務上必要な在籍出向 について規定し、

・労働者は正当な理由なく拒むことができない旨、規定しています。


まず、配置換えや職種内容の変更は、労働者との特別の合意がない限り、可能とされています。


しかしながら、住居の変更を伴う配置換え転勤)や職務内容の相当期間の変更(職種変更)については、トラブルが生じやすいことから、このような規定により明記しているものです。 


特に、育児介護を行う労働者には、育児・介護休業法で配慮義務が定められていますし、労契法3条3項の仕事と生活の調和の規定にも配慮が必要です。


「転勤」に伴う労働者の負担に配慮し、転勤命令の内示時期について、例えば「1週間前」などと定める方法も考慮されていいと思います。


「転勤」命令については、その運用が権利の濫用にならないよう十分配慮しなければいけません。


これに係る有名な判例「東亜ペイント事件」では、

・業務上の必要性があること

・不当な動機、目的がないこと

・通常甘受すべき程度を著しく超える不利益を負わせないこと


という要件を満たさなければならないとされています。


就業規則に書いてあるからどんな運用をしても大丈夫であるという考えは捨てなくてはいけないということですね。


次回はこの続きとして「出向」について取り上げます。



今回もお付き合いいただきありがとうございました。次回の更新でお会いできたら嬉しいです。

















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