こんにちは。


前回までは「総則」でしたが、今回からは具体的な各論に入っていきます。


厚労省「モデル就業規則」(モデル規則)は、第2章に「採用、異動等」の項目を設けていますが、今回はまず「採用」を取り上げることにします。


その5:採用の項で気をつけるべきこと

「モデル規則」では「採用」に関して次の2つの条項を設けています。

「採用手続」(4条)

「採用時の提出書類」(5条)


⚫︎提出書類の留意点

「採用手続」として「入社を希望する者の中から選考」するとしていますが、均等法などの規定に触れないよう留意することが大切になります。


「提出書類」には、いくつかの書類が例示されていますが、ここは会社によって異なってくる部分があると思います。


そのなかで、労働者の年齢や住所などを確認するための書類としては、戸籍謄本(抄本)や住所票の写しではなく「住民票記載事項証明書」によることが適切とされています。


行政通達においても、個人情報の取り扱いやプライバシー保護の観点から、戸籍等は求めないとされていることに留意しなければなりません。


⚫︎身元保証をつけるときには

「モデル規則」にはありませんが「身元保証人」を求める条項を設けている例があります。


以前は普通のように求められていて、私も就職時に親族にお願いに行ったことを覚えています。


ただ、最近ではこれを求めない会社が増えてきたようです。


規定の仕方として、例えば「身元保証人は会社が適当と認めた2名とする。身元保証の期間は5年間とする。」といった内容になります。


身元保証を求める場合には、「身元保証に関する法律」の規定に留意する必要があります。


法では、期限の上限は「5年」とされており、定めないときには「3年」となります。


また、民法改正により、身元保証に関して損害賠償の極限額を定めるときには「上限」を記載することが必要となりましたので、これも注意が必要です。


さらに「採用時」に加えて、「面接時」の提出書類を規定する会社もあるようです。


その代表が「履歴書」になるのですが、これは「自筆」で書くよう求めるのがよいとの指摘があります。これはまさに「そのとおり」だと思います。


「自筆」には、うまいかどうかは別にして、その人の性格や仕事ぶりまで伺うヒントが隠れているように思えるからです。



今回もお付き合いいただきありがとうございました。次回の更新でお会いできたら嬉しいです。