こんにちは。
前回は老齢年金の「繰上げ」受給について取り上げました。今回は「繰下げ」受給の方を見ていきたいと思います。
vol.8:繰下げ受給のタイミング
年金に関する記事を見ていると「繰下げ」に関する内容が毎日のように出てきます。
それらのなかには、「繰下げ」があたかも老後資産を増やしていく一つの手段のように扱っているものがあり、残念に思っています。
「繰下げ」はあくまで年金受給者のライフスタイルに合わせて、自分自身で年金受給方法を選択する制度なのです。
それにしては、制度の内容やメリット・デメリットが分かりづらいですし、制度自体が頻繁に修正・追加され、追いついていくのも大変な状態です。
閑話休題。「繰下げ」は65歳から始まる、本来の老齢基礎年金と老齢厚生年金の受給時期を遅らせる制度です。
遅らせた分だけ(「利息」的なものとして)「増額」された年金を受け取ることができるのです。
以前は「70歳まで」でしたが、昨年(令和4年)4月からは「75歳まで」に引き上げられました。
これは「増額分」が増えることを意味します。
それでは「繰下げ」の「申出」を行うタイミング(時期)に関する注意点を見ていくことにします。
まず、「申出」は66歳になってから行うことになります。それまでだと「通常の(年金額が増えない)年金」が支給されることになってしまいます。
次に、66歳に達した日(誕生日前日)までに、障害給付や遺族給付の権利が発生したときには、「繰下げ」はできないことになります。
ただ「障害基礎年金」のみが発生する場合は、老齢厚生年金の方は「繰下げ」できます。
また、66歳以降に、他の公的年金が受給できるようになったときには、その時点で「増額率」が決まってしまいます。
「繰下げ」の「申出」は75歳までいつでもできます。老齢基礎年金、老齢厚生年金のどちらか一方でも、また両方でもできます。
例えば、
・老齢基礎年金は、70歳から
・老齢厚生年金は、65歳から(繰下げなし)
のような「組み合わせ」が可能なのです。
「繰下げ」をするまでの「待機期間中」は、「繰下げ」するのか、本来の年金を「さかのぼって受け取る」のか、いつでも選択することができます。
受給権が発生してから5年経過した後に、「さかのぼって受け取る」方を選択したときには、その5年前に「繰下げ」があったものとみなされます。
「繰下げ」のタイミングに関する注意点だけでもこれくらいありますので、なかなか大変です。
一度手続きをしたら後に戻れませんので、「繰上げ」と同様、いつ、どのような手続きをするのが一番よいのか、慎重に判断しなければなりません。
次回は、もう一つの注意点である「増額率」について見ていくことにします。
今回もお付き合いいただきありがとうございました。次回の更新でお会いできたら嬉しいです。