こんにちは。


退職について2回にわたって触れてきましたが、退職
には、自分から辞める場合と、必ずしも本意ではないけれどやむなく辞める場合の両方があります。 


今回はその辺りのことについてになります。


第15回:退職勧奨の微妙なところ

本人が積極的に辞めたいと思っていなくても、使用者からの「働きかけ」によって結果的に「自分から辞める」ことになる場合があります。


会社経営上、人員整理が必要ななったときが典型的で「退職勧奨」と呼ばれています。よく「肩たたき」と言われるものです。


「退職勧奨」は労働者の自由な意思のもとで行われる限り、使用者は自由に行うことができます。


したがって、一旦受け入れてしまうと、双方の合意による雇用契約の解約という法的な効果が生じます。


「解雇」とならないため、いつでも行うことができ、「解雇予告手当」も要りませんし、「解雇権濫用」という概念も入り込む余地がありません。


労働者としては、受け入れるかどうか、慎重に判断しなければなりません。一旦答えを保留して信頼できる人と相談するのもよいかもしれません。


「退職勧奨」が問題となるのは、勧奨が適正に行われなかった場合です。 


上司が長時間にわたって何度も執拗に辞職を求めたりして、労働者の自由な意思形成を阻害したような場合には違法とされます。


いわゆる「退職強要」に当たります。

この場合は、強迫を理由として取り消しとされ、また、不法行為として損害賠償責任を問われます。


「退職勧奨」を拒否した労働者をそのことを理由として解雇することはできません。


ただ「退職勧奨」を求める場合は、人員整理が必要なときが多いため、正当な「整理解雇」の事由があれば解雇手続きに進むことが多いと思われます。


「退職勧奨」は、雇用保険の基本手当(失業保険)を受ける際には「会社都合退職」とされており、「自己都合」よりも有利に取り扱われます。


使用者としてはそのことも含めて、労働者に伝え、納得の上で合意が得られるようにしたいですね。



今回もお付き合いいただきありがとうございました。次回の更新でお会いできたら嬉しいです。