こんにちは。


そろそろボーナス(賞与)の時期です。

支給される日を楽しみにしている人も多いと思います。


今年は大企業中心に業績が向上したことから、増額が見込めるホクホク顔の人もいることでしょう。


かつてまだ現金支給が主流だった頃、ボーナス支給日は給与担当者にとって「恐怖の一日」でした。


見たこともない多額の現金を前にして、「給料袋」に詰め込む作業を延々と続けるのでした。今から考えたら何とアナログな作業だったのでしょう。


職場では上司がお札で膨れ上がった「給料袋」を立てて見せ、「おまえらもこうならんとあかんで〜」と威張っているのか、励ましているのか、分からないような発言をしていました。


今はもう見られない「昭和の光景」です。


全体の給与(賃金)に占めるボーナスの割合がこれほど高い国は、世界を探しても他にないのではないでしょうか。


知人のドイツ人は、ボーナスとはクリスマス手当のようなものとして、この時期に基本給の1か月分くらいが支給されると言っていました。


他の国も概ねそんな感じのようです。


日本ではこの間、長期にわたって基本給が上がらない状況が続いてきたため、その分、労働者にとってはボーナスへの期待が高まってきました。


会社側と交渉する労働組合の方も、なかなか勝ち取れないベースアップに固執するより、組合員向けにウケの良いボーナス交渉に注力するようになった面があったのかもしれません。


これは会社側にとっては願ったり叶ったり。


ベースアップと違って将来負担を約束するものではありませんので、業績が落ちたら翌年は下げれば済む話なのです。


この「ボーナスのジレンマ」に労働者と組合側がはまり込み、会社側だけがほくそ笑んでいたと見るのは、少し偏った見方でしょうか。


そうして30年が経ち、結果として日本の賃金は上がらす、他国との差が歴然としてしまいました。 


これに「ボーナスのジレンマ」が果たした役割は小さくなくように思います。


この際、総額は変えず基本給(月給)とボーナスの割合を変えることを真剣に考えてみたらどうかと考えます。


すぐには効果は出ませんが、中期的には賃金水準の底上げにつながるはずです。


それでも、何かと物入りな年末にもらえるボーナスは嬉しいもの。少しでも増えたらもっと嬉しく、案外日本によくマッチした制度なのかもしれません。



今回もここまでお付き合いいただき、ありがとうございました。次回もまたアクセスしてください。


 


寒くても一人でなければ温かいカモ